恋人の前で素の自分を出せない…「いい人」を演じてしまう理由とやめ方

恋人の前で素の自分を出せない…「いい人」を演じてしまう理由とやめ方 恋愛の悩み

恋人の前で素の自分を出せない…「いい人」を演じてしまう理由とやめ方

恋人の前で、いつも「感じのいい自分」でいようとしてしまう
本当は疲れていても「大丈夫」と笑ってしまう
嫌なことがあっても空気が悪くなりそうで飲み込んでしまう

頭では「もっと素の自分を出した方がいい」と分かっていても、いざ目の前に相手がいると、つい「いい人」を演じてしまうことがあるかもしれません。
そのたびに、帰り道でひとりになってから「今日も本当のことを言えなかった」「こんな自分を好きになってもらっても意味がない」と落ち込んでしまうこともあると思います。

この記事では、あなたの性格を責めたり、「もっとわがままになりましょう」と背中を押したりすることが目的ではありません。
なぜ恋人の前で素の自分を出しにくくなるのかという心の背景をていねいに整理しながら、少しずつ「自分らしさ」を取り戻していくための現実的なステップを一緒に見ていきます。

この記事で分かること

  • なぜ恋人の前で「いい人」を演じてしまうのかという心理的な仕組みと、自己肯定感や過去の経験との関係
  • 「相手を思いやる気遣い」と「自分を削ってしまう『いい人』」の違いが分かる整理のしかた
  • 素の自分を取り戻すために、一人でできる感情の整理や「OKライン・NOライン」の見つけ方
  • 恋人の前で少しずつ本音を伝えていくための、具体的な言い回しや会話のコツ
  • がんばっても一人では苦しいときに、カウンセリングや専門家への相談を考える目安

「全部を一度に変えないといけない」と思う必要はありません。
この記事を読みながら、まずは「これなら自分にもできそう」と感じる小さな一歩を見つけていただければと思います。


  1. 恋人の前で「素の自分を出せない」と感じる人が抱えやすい悩み
    1. いつも「感じがいい人」でいようとしてしまう具体的なシーン
    2. 本音を出せないことで蓄積するしんどさ
    3. 「いい人でいないと嫌われる」の裏にある怖さ
  2. なぜ恋人の前で「いい人」を演じてしまうのか(心理の全体像)
    1. 人に合わせることが身についている「対人スタイル」
    2. 承認欲求と自己肯定感の関係
    3. 愛着スタイルや過去の恋愛・家族関係の影響
    4. 健全な気遣い vs 自分を削る「いい人」
  3. 「いい人を演じる恋愛」でよくあるパターン別チェック
    1. パターン1:常に相手優先で、自分の予定や気分を後回しにするタイプ
    2. パターン2:感情を飲み込み、何でも「大丈夫」と言ってしまうタイプ
    3. パターン3:衝突を避けるために、本音を出す前に距離を置いてしまうタイプ
    4. 簡易チェックリスト|自分の「いい人度」を知るミニワーク
  4. 「素の自分を出せない」背景にある心のテーマ
    1. 自己肯定感が低いと「素の自分=見せてはいけないもの」になりやすい
    2. 家族の中で担ってきた役割の影響(いい子・聞き役・調整役など)
    3. 感情を表現することへの怖さや罪悪感
    4. 「自分が悪い」「相手が悪い」と決めつけるほど、テーマが見えにくくなる
  5. 素の自分を取り戻すための3ステップ(内面編)
    1. ステップ1:「いい人を演じていた自分」を責めずに認める
    2. ステップ2:自分の感情と欲求を言葉にする練習
    3. ステップ3:自分の「OKライン」と「NOライン」を紙に書き出す
  6. 恋人の前で少しずつ「素の自分」を出していく実践ステップ
    1. いきなり大きな本音ではなく「小さな本音」から試す
    2. 「いい人フレーズ」を「素の自分フレーズ」に少しずつ言い換える
    3. 本音を伝える前後の「セルフケア」をセットにする
    4. それでもうまくいかないときに考えたい「相性」と「安全性」
  7. よくある質問(FAQ)|「いい人」をやめていく過程での悩み
    1. Q1:素の自分を出したら、恋人に嫌われてしまいそうで怖いです。
    2. Q2:どこまでが「素の自分」で、どこからが「わがまま」なのか分かりません。
    3. Q3:頑張って本音を伝えても、相手が受け止めてくれません。どうしたらいいですか?
    4. Q4:カウンセリングや専門家に相談した方がいいのはどんなときですか?
  8. まとめ|「いい人」から少しずつ「自分らしい人」へ
    1. 「いい人」は欠点ではなく、これまでの工夫だったと捉え直す
    2. まず変えるのは「相手」ではなく「自分の感情の扱い方」
    3. 次の恋愛でも今の恋愛でも活きる「小さな実験」を一つ選ぶ

恋人の前で「素の自分を出せない」と感じる人が抱えやすい悩み

いつも「感じがいい人」でいようとしてしまう具体的なシーン

恋人と会っているとき
頭のどこかで「嫌われないようにしないと」「がっかりさせないようにしないと」と考えてしまうことがあります。

相手が「ここに行きたい」と言えば
本当はあまり気が進まなくても「いいね」と笑顔で合わせてしまう。

仕事で疲れていても
デートの前になると「せっかく時間を作ってくれたし、弱音はやめておこう」と元気な自分を演じてしまう。

気になることやモヤモヤがあっても
「今この話をしたら空気が重くなりそう」と感じて黙り込んでしまう。
その場の雰囲気を壊さないように
少しでも気になる本音は飲み込むクセがついている人もいます。

相手から見れば
「いつもニコニコしていて、感じがいい人」と映っているかもしれません。
一方で自分の中では
「今日も本音を言えなかった」という小さな違和感が積み重なっていきます。


本音を出せないことで蓄積するしんどさ

デート自体は楽しいはずなのに
帰り道になるとどっと疲れが出る。
そんな感覚が続くことがあります。

会っている間じゅう
「相手はどう感じているかな」「今の反応は大丈夫だったかな」と
自分の心よりも相手の顔色を優先していると
エネルギーを消費し続けてしまいます。

家に帰って一人になったとき
「今日の自分は本物の自分じゃなかった気がする」
「この人は“演じている私”のことを好きなだけかもしれない」
そんなむなしさが湧いてくることもあります。

本音を出さない状態が続くと
自分でも「どれが本当の自分なのか」が分かりにくくなっていきます。
本当はやりたくないことに「いいよ」と言った自分か
心の中で「本当は嫌だな」とつぶやいている自分か
どちらが素なのか曖昧になってしまうのです。

「相手は優しいし、嫌なことをされたわけでもない」
「それなのに、なぜか苦しくなる自分がおかしいのでは」と感じて
さらに自分を責めてしまう人もいます。


「いい人でいないと嫌われる」の裏にある怖さ

多くの場合
「いい人を演じてしまう」のは性格が弱いからではありません。
その裏側には「嫌われるのが怖い」という強い不安があります。

少しでも不満を伝えたら
「わがままだと思われるのではないか」
「めんどくさい人だと思われて、距離を置かれるのでは」と想像してしまう。

お願いごとや断りたいことがあっても
「こんなこと言ったら、相手の負担になるかもしれない」と感じて
自分の気持ちを後回しにしてしまう。

その結果
恋人の前にいるときの自分は
「相手にとって都合のいい、感じのいい自分」に偏りがちになります。
本音を出すチャンスが減るほど
「素の自分を見せたら、今の関係が壊れてしまうかもしれない」という怖さが大きくなります。

「素の自分」の中には
怒りや不満だけでなく
弱さや寂しさ、甘えたい気持ちも含まれています。
それらを出した瞬間に嫌われてしまうような感覚があると
どうしても「安全そうな自分」だけを選んでしまうのです。

こうした怖さが積み重なると
「いい人でい続けるか、別れるか」という二択のように感じてしまうこともあります。
この記事では
そのどちらかしかないわけではなく
「少しずつ素の自分に近づけていく」という第三の道もあることを
この後の章で一緒に整理していきます。


なぜ恋人の前で「いい人」を演じてしまうのか(心理の全体像)

人に合わせることが身についている「対人スタイル」

「いい人を演じてしまう」という状態は
多くの場合、ある日突然始まったものではありません。

子どもの頃から
家族の機嫌をうかがうことが多かった人もいます。
早くから「空気を読む」ことが得意になった人もいます。
場を乱さないように気を利かせてきた人もいます。

その中で
「自分の気持ちより、周りの雰囲気を優先する」という
対人関係のスタイルが少しずつ身についていきます。

人に合わせること自体は
人間関係の中でとても大事な力です。
相手を気遣えることは、決して悪いことではありません。

ただ

  • 自分の気持ちをほとんど出せない
  • 終わったあとに毎回ぐったりしている
  • 「本当の自分を出せていない」と感じて苦しい

このような状態が続くときは
「度合い」と「自分のしんどさ」が大きくなりすぎているサインかもしれません。

恋人の前で「いい人」を演じてしまうのは
性格が弱いからではなく
これまでの人間関係の中で身につけてきた
“生き方のパターン”がそのまま出ているとも考えられます。


承認欲求と自己肯定感の関係

誰かに「いいね」と思ってもらいたい気持ちは
誰にでも少なからずあります。
これがいわゆる「承認欲求」です。

一方で「自己肯定感」は
何もしていなくても
失敗してしまう日があっても
「自分には価値がある」と感じられる感覚を指します。

自己肯定感が低くなっているときほど
自分の価値を、自分の内側ではなく
相手の反応や好意で確かめようとしやすくなります。

すると
「相手にとっていい人でいないと、ここにいてはいけない」
「嫌われたら、自分には価値がなくなってしまう」
そんな感覚が強まりやすくなります。

その結果

  • 相手に嫌われないように、いつも笑顔でいる
  • 本音よりも「いい人に見える答え」を優先する
  • 疲れていても、弱さや不満を見せないように頑張る

といった行動につながっていきます。

ここで大事なのは
「承認欲求があるからダメ」という話ではないことです。
誰かに認められたい気持ちは自然なもので
問題は「認められないと自分を保てないくらい、負担が大きくなっているかどうか」です。


愛着スタイルや過去の恋愛・家族関係の影響

人との距離の取り方や
「相手にどう接するか」というクセには
小さい頃の経験が影響していると言われます。

心理学では
子どもの頃の人との関わり方のクセが
大人になってからの恋愛や人間関係にも表れやすい
という考え方があり
これを「愛着スタイル」と呼びます。

たとえば

  • 親の機嫌をいつも気にしていた
  • 急に冷たくされたり、距離を取られたりした経験が多い
  • 「迷惑をかけると嫌われる」と感じて育った

このような経験があると
「見捨てられたくない」「嫌われたくない」という不安が強くなりやすいです。

その不安を抑えるために

  • 自分の気持ちより相手の希望を優先する
  • 不満があっても我慢する
  • 怒られないように、いい人でいようとする

という行動を取りがちになります。

過去の恋愛で
本音を出したときに否定されたり
急に距離を置かれたりした経験がある場合も同じです。
「前と同じことになったら怖い」という記憶が
今の恋人との関係でも「いい人」を続けさせてしまうことがあります。

ここで覚えておきたいのは
こうした反応もまた
「これまでの環境で身につけた、生き延びるための工夫」でもあるということです。
だからこそ
自分を責めるのではなく
「なぜこんなふうに振る舞ってしまうのか」という背景を
一緒にほどいていくことが大切になります。


健全な気遣い vs 自分を削る「いい人」

ここまでの内容を
整理しやすいように表にまとめます。
自分がどちら側に近いか
一度照らし合わせてみてください。

項目健全な気遣い自分を削る「いい人」
自分の気持ち基本は言える。言えないときも後で少し補足できるほとんど言えない。言わないまま我慢して終わることが多い
NOの伝え方時々は断れる。代案を出しながら調整できるほぼ断れない。「大丈夫」と言って引き受けてしまう
疲れ方会った後も「心地よい疲れ」で済む会うたびにぐったりする。何度も自己嫌悪になる
相手とのバランスお互いに合わせたり頼ったりできる「持ちつ持たれつ」こちらだけが合わせる側。頼ることに強い罪悪感がある
自分への感覚気遣える自分を「よくやっている」と感じられる演じている自分を「本当の自分ではない」と責めてしまう

この表は
「どちらが正しいか」を決めるためのものではありません。

今の自分がどちら側に寄りがちなのかを知ることで
これから「少しだけ健全な気遣いに近づける部分はあるか」を
一緒に考えていくための地図として使ってみてください。


「いい人を演じる恋愛」でよくあるパターン別チェック

パターン1:常に相手優先で、自分の予定や気分を後回しにするタイプ

このタイプの人は
予定を立てるときに「自分がどうしたいか」より「相手がどうしたいか」が基準になりやすいです。

相手から
「今週ここに行かない?」
「今日ちょっと電話してもいい?」
と誘われたとき
自分の予定が入っていても
「大丈夫、そっちを優先するよ」と言ってしまうことが多くなります。

本当は
仕事の疲れを取りたい日や
友人との約束を大切にしたい日もあります。
それでも
「断ったらがっかりさせるかもしれない」
「せっかく誘ってくれたのに、申し訳ない」
という気持ちが前に出て
自分の用事を簡単に変更してしまいやすくなります。

背景には
「嫌われたくない」という不安が強くあることが多いです。
NOを言うことは
相手を拒絶することと同じだと感じてしまう場合もあります。

その結果

  • 相手の予定には即対応する
  • 自分の予定は後回しにする
  • 断ることやお願いすることに強い抵抗を感じる

という行動パターンができあがります。

短期的には関係がスムーズに見えるかもしれません。
ただ
自分の予定や気持ちをずっと後回しにしていると
「いつも自分ばかり我慢している」という疲れや
「この人といるときの私は、本当の自分ではない」というむなしさが
少しずつ蓄積していきます。


パターン2:感情を飲み込み、何でも「大丈夫」と言ってしまうタイプ

このタイプの人は
怒りや悲しみや寂しさを、その場で言葉にすることがとても苦手です。

心の中では
「本当は寂しかった」
「今の一言は少し傷ついた」
と感じていても
口から出てくるのは
「大丈夫だよ」
「全然平気」
といった言葉になりやすくなります。

相手が悪いわけではないと頭では分かっている。
忙しい事情も理解している。
だからこそ
「ここで不満を言ったら、自分がわがままみたいだ」と感じてしまう。

背景には
「迷惑をかけたくない」
「重いと思われたくない」
という思いがあることが多いです。

その結果

  • つらくても笑顔でごまかす
  • 本当は悲しいのに、明るく冗談で流してしまう
  • 我慢が限界に来るまで、感情をため込み続ける

というパターンが続きます。

一時的にはその場の空気が保たれます。
しかし
自分の感情を味わう時間がないまま積み重なっていくので
ふとした瞬間に涙が出てきたり
何もないのに心だけが重く感じられたりすることがあります。

「私はいつも『大丈夫』って言ってしまう」
「結局、誰にも本当の気持ちを分かってもらえない」
そう感じるほど
自分の感情にフタをするクセが強くなっていきます。


パターン3:衝突を避けるために、本音を出す前に距離を置いてしまうタイプ

このタイプの人は
「いい人を演じる」状態がしんどくなってきたとき
本音を出すより先に、少しずつ距離を取る方向に動きやすくなります。

デートの帰り道にモヤモヤを感じても
「今さら言っても仕方がない」と飲み込んでしまう。
その代わりに
次の約束を少し先延ばしにしたり
返信のペースを落としたりして
静かに距離を取ろうとします。

本音を伝えて衝突するくらいなら
自分の中で諦めて
「そっと離れていった方が平和だ」と感じやすいのです。

背景には

  • ケンカや衝突がとても怖い
  • 感情的なぶつかり合いの経験で傷ついたことがある
  • 相手を怒らせるくらいなら、自分が引いた方がいいと学んできた

といった過去の体験が関係していることがあります。

その結果

  • モヤモヤを抱えたまま、会う回数を減らす
  • 心の中ではすでに距離を取っているのに、表面上は「いい人」のまま接する
  • 最終的に「やっぱり合わないかも」と自分から関係を終わらせる

という流れになりやすくなります。

「素の自分」を出す前に離れてしまうため
別れたあとに
「本当の自分を見せていないまま終わってしまった」
「どうせまた同じことを繰り返すのでは」と感じやすいことも特徴です。


簡易チェックリスト|自分の「いい人度」を知るミニワーク

ここでは
自分がどのパターンに当てはまりやすいかを
ざっくり把握するためのミニワークを提案します。

次の項目を読みながら
心の中で「はい/いいえ」で答えてみてください。

  • 本当は疲れているのに、相手に誘われると断れないことが最近3回以上あった
  • 断りたいときでも、最初の一言がどうしても「大丈夫だよ」になってしまう
  • デート中にモヤモヤしても、その場で話さずに後で一人で考え込みがちだ
  • ここ数か月で「本当は嫌だったのにOKした」経験がいくつも思い浮かぶ
  • ケンカや重い話題になりそうだと感じると、話題を変えたり距離を置いたりする
  • 「私が本音を出したら、この関係は続かないかもしれない」と感じたことがある
  • 恋人と会ったあと、楽しいのにどっと疲れることが多い
  • 「いい人でいる自分」と「本当の自分」が別物のように感じる瞬間がある

「はい」が多かった項目が
今のあなたの「いい人度」の傾向です。

たとえば

  • 予定を優先してしまう項目に多くチェックがついたならパターン1寄り
  • 「大丈夫」と言ってしまう項目が多ければパターン2寄り
  • 距離を置く、話さずに終わる項目が多ければパターン3寄り

といった見方ができます。

どのパターンだから良い悪いという話ではありません。
大切なのは
「自分はこういう傾向があるのかもしれない」と気づくことです。

この後の章では
それぞれのパターンに共通する「心のテーマ」を整理しながら
少しずつ「いい人を演じすぎないためのステップ」を
一緒に具体的に考えていきます。


「素の自分を出せない」背景にある心のテーマ

自己肯定感が低いと「素の自分=見せてはいけないもの」になりやすい

自己肯定感が低くなっているとき
「そのままの自分には価値がないのでは」という感覚が強くなりやすいです。

自己肯定感は
何かをうまくやれたかどうかとは別に
「たとえ失敗しても、自分には価値がある」と感じられる土台のようなものです。

この土台が弱いと
短所や欠点、疲れている姿、甘えたい気持ちなどを
「見せてはいけないもの」だと感じやすくなります。

その結果
「本当の自分を知られたら、きっと嫌われる」
「がっかりされるくらいなら、最初からいい人でいよう」
という考えに自然と傾いていきます。

過去に
失敗したときにきつく責められたり
弱さを見せたときにからかわれたりした経験が多いと
「本音や素の自分を出すと、関係が壊れる」という学習が強く残ることもあります。

「素の自分を出せない」のは意志の弱さではなく
「素を出したら危険かもしれない」と身を守ろうとする心の反応でもあります。


家族の中で担ってきた役割の影響(いい子・聞き役・調整役など)

家族の中でどんな役割を担っていたかは
大人になってからの恋愛にも影響しやすいです。

たとえば

  • いつもしっかり者として期待されていた
  • 親の相談相手や聞き役になっていた
  • 兄弟げんかをなだめる「調整役」だった

こうしたポジションに長くいると
「自分は頼られる側でいなければいけない」という感覚が身につきます。

すると恋愛でも

  • 弱音よりも「大丈夫」と言う役割を続けてしまう
  • 相手の話を聞く側ばかりになり、自分の話をすることに慣れていない
  • 場の空気を壊さないように、本音より雰囲気を優先してしまう

といった振る舞いにつながりやすくなります。

家族の中で担ってきた役割は
そのとき必要だった大事な適応でもあります。
ただ、そのスタイルをそのまま恋愛に持ち込むと
「恋人の前でも、常に“いい子”でいないといけない」というプレッシャーになってしまうことがあります。

一度
「自分の家族の中では、どんな役割を期待されていたか」
「どんなときに『いい子だね』『助かるよ』と言われてきたか」
を振り返ってみると
今の恋愛での振る舞いとのつながりが見えてくる場合があります。


感情を表現することへの怖さや罪悪感

素の自分を出すということは
自分の感情を相手に見せることでもあります。

しかし
怒りや悲しみや寂しさを表に出したときに
「そんなことで怒るな」と否定されたり
「面倒くさい」と突き放されたりした経験が重なると
感情を見せること自体に怖さや罪悪感が生まれやすくなります。

その結果
「怒りを感じる自分が悪い」
「悲しいと言う前に、私が我慢すべきだ」
という考えがクセになっていきます。

すると恋人の前でも

  • 本当はショックだった出来事を、冗談にして済ませてしまう
  • 寂しさを感じたときに、素直に「寂しかった」と言えない
  • イライラしても、笑顔でごまかして自分の内側に押し込める

というパターンになりやすいです。

「感情を出したら迷惑をかけてしまう」
「感情を見せるくらいなら、自分の中に閉じ込めておいた方が安全」
という学習があると
素の自分を出すことは、失敗や拒絶と直結しているように感じられます。

この場合も
問題なのは感情そのものではなく
「感情をどう扱えばいいか」を教わる機会が少なかったことです。
感情の扱い方を学び直していくことが
「素の自分」を少しずつ出していく土台になります。


「自分が悪い」「相手が悪い」と決めつけるほど、テーマが見えにくくなる

うまくいかない恋愛が続いたり
素の自分を出せない苦しさが長く続いたりすると
「全部自分が悪い」と考えてしまうことがあります。

逆に
「相手の見る目がないだけだ」
「相手の方が大人げない」と
全部相手のせいにしたくなる時期もあるかもしれません。

どちらの見方も
一時的には気持ちを整理しやすい側面があります。
ただ
どちらかに決めつけてしまうほど
本当のテーマにはたどり着きにくくなってしまいます。

「全部自分が悪い」と考えてしまうと

  • 自分の感情より相手の要求を優先し続ける
  • NOを言う練習をするきっかけを失う
  • 本音を出せない苦しさに気づいても、「我慢が足りない」と結論づけてしまう

という流れになりやすくなります。

一方で
「全部相手が悪い」と考えてしまうと

  • 自分の境界線や伝え方を見直す機会が減る
  • 同じパターンを、相手を変えながら繰り返しやすくなる
  • 「素の自分を出していない」という自分側のテーマが見えにくくなる

という状態になりやすいです。

大切なのは
自分を責めることでも
相手だけを責めることでもなく
「自分の気持ち」「境界線」「コミュニケーションのパターン」という
いくつかの要素に分けて眺めてみることです。

素の自分を出せない背景には
性格の欠陥ではなく
こうした心のテーマや、これまでの経験が重なっていることが多いです。
ここを理解していくことで
少しずつ「演じる恋愛」から「自分も相手も大事にできる恋愛」へと
移っていく準備が整っていきます。


素の自分を取り戻すための3ステップ(内面編)

ここからは
行動を変える前の「心の準備」のステップに進みます。
一人でゆっくり取り組めるミニワークを中心に整理します。


ステップ1:「いい人を演じていた自分」を責めずに認める

最初のステップは
「演じてきた自分」を否定しないことです。

これまで「いい人」でいようとしたのは
生きるための工夫だった場合が多いです。
人間関係を壊さないための工夫でもありました。

本音を出すと怒られた経験がある人もいます。
家庭や職場で「いい子」「しっかり者」を求められてきた人もいます。
その中で身につけた振る舞いは
当時の自分を守るために必要だったスキルでもあります。

ここで大切なのは
「なんで本音を出せなかったんだろう」と責めることではありません。
「その時の自分なりに、よくやってきた」と評価し直すことです。


ミニワーク:これまでの自分に一言メッセージを書く

ノートかスマホのメモを用意します。

次のような問いを、ゆっくり書き出してみてください。

  • 恋愛や人間関係で「いい人」を演じてきた場面はどんなときか
  • そのときの自分は、何を守ろうとしていたか
  • そのおかげで避けられたトラブルや、人間関係はあったか

書き出したら
過去の自分に向けて一言メッセージを書きます。

例を挙げます。

  • 「本音を出せなくても、よく人間関係を守ってきたね」
  • 「あのときは、あれが精一杯だったんだと思う」

声に出して読んでみてもかまいません。
「演じてきた自分」を責めるのではなく
一度抱きとめるイメージを持てると、次のステップに進みやすくなります。


ステップ2:自分の感情と欲求を言葉にする練習

次のステップは
「自分の中で何が起きているか」を言葉にする練習です。

素の自分を出せないとき
自分が今何を感じているかに気づきにくくなります。
気づいていない感情は、相手にも伝えにくくなります。

まずは
相手に伝える前の「自分用メモ」として整理してみます。


ミニワーク:感情と言葉をつなげるノート

ノートを開き、ページを二つの列に分けます。

左側に「出来事」。
右側に「そのときの気持ち」。
この二つを書き出します。

例を挙げます。

  • 出来事:デートの約束が直前に変更になった
  • 気持ち:がっかりした。大事にされていない気がした。
  • 出来事:相手の話ばかり聞いて、自分の話はあまりできなかった
  • 気持ち:少し寂しかった。私のことも知ってほしいと思った。

最初は、うまく言葉にならなくてもかまいません。
「モヤモヤ」「なんとなく悲しい」でも十分です。

慣れてきたら
次の問いも付け足します。

  • 本当は、どうしてほしかったか
  • 本当は、どうしたかったか

例を挙げます。

  • 「直前の変更のときには、一言『ごめんね』と言ってほしかった」
  • 「自分の話も、少しだけ聞いてほしかった」

この作業を続けていくと
「自分は、こう扱われるとつらいんだ」
「こうしてもらえると、安心するんだ」
という自分のパターンが少しずつ見えてきます。

相手に伝える前に
まず自分で自分の感情を理解すること。
これが、素の自分を取り戻す土台になります。


ステップ3:自分の「OKライン」と「NOライン」を紙に書き出す

三つ目のステップは
境界線をはっきりさせることです。

境界線とは
「ここまでは無理なく合わせられる」
「ここから先は、今の自分にはきつい」
という心のラインです。

このラインがあいまいなままだと
相手に合わせすぎてしまいます。
そして「気づいたら、かなり無理をしていた」という状態になりやすくなります。


ミニワーク:自分のOKライン/NOラインを書き出す

紙を一枚用意します。
真ん中に線を引いて、左右二つの欄を作ります。

左側に「OKライン」。
右側に「NOライン」。
と書きます。

いくつかのテーマごとに書き出します。

たとえば、次のような項目です。

  • 時間
  • お金
  • 体調
  • 仕事や予定
  • 身体的なスキンシップ

それぞれについて
具体的に書いてみます。

例を挙げます。

【時間】

OKライン:平日の夜は週1回なら無理なく会える

NOライン:翌日に大事な仕事がある日の深夜の電話

【体調】

OKライン:少し疲れていても、短時間の通話なら大丈夫

NOライン:熱がある日や、明らかに体調が悪い日に外出するデート

【予定】

OKライン:自分の予定がない日に、相手の急な誘いに応じる

NOライン:自分の大事な予定を毎回キャンセルしてまで合わせること

書くときのポイントは
「一般的にどうか」ではなく
「今の自分にとってどうか」で考えることです。

完璧なラインでなくてかまいません。
一度書いてみて
あとから修正しても大丈夫です。

こうして境界線を可視化しておくと
「ここまでは合わせても大丈夫」
「ここから先は、素直にNOを考えてもいい」
という目安が生まれます。

これは、後の「伝え方」のステップでも役に立ちます。
どこまでがOKで
どこからが苦しいのかが自分で分かっていると
「素の自分」を守りながら、相手とも向き合いやすくなるからです。


この三つのステップは
すぐに結果が出る「裏ワザ」ではありません。
ただ

  • 演じてきた自分を認めること
  • 自分の感情を言葉にすること
  • 自分の境界線を知ること

この三つがそろうほど
「素の自分」を少しずつ取り戻す準備が整っていきます。

次の章では
ここで見えた感情や境界線を
具体的な「言葉」や「行動」として
どのように恋人との関係に生かしていくかを整理していきます。


恋人の前で少しずつ「素の自分」を出していく実践ステップ

ここからは
内面の準備をふまえて
実際の会話や行動で「素の自分」を少しずつ出していくステップを整理します。

いきなりすべてを変える必要はありません。
「小さな実験」を一つずつ積み重ねていくイメージで読んでみてください。


いきなり大きな本音ではなく「小さな本音」から試す

素の自分を出そうとすると
「いきなり重い本音をぶつけないといけない」と感じることがあります。
けれど、最初から大きなテーマに挑戦する必要はありません。

まずは

  • 疲れ具合
  • その日のコンディション
  • 小さな希望

といった、負荷の低い本音から試してみると安全です。

たとえば、次のような言い方があります。

  • 「今日はちょっと疲れているから、電話は短めにしてもいい?」
  • 「今週は仕事がバタバタしていて、会うなら日曜が助かるかも」
  • 「本当はもう少しゆっくり話したかったな、ってさっき思ってた」

「今まさに強く感じている本音」を出すのが怖い場合は
少し時間をおいてから、過去形で伝える方法もあります。

  • 「この前のデートのとき、実は結構疲れていてね」
  • 「あのとき、本当は少し寂しい気持ちがあったんだ」

こうした小さな本音は
関係を壊すリスクが低い一方で
「この人は素直な気持ちを言ってくれる」というメッセージにもなります。

「今日は少しだけ本音を足してみる」くらいの感覚で
一歩を試してみることが大切です。


「いい人フレーズ」を「素の自分フレーズ」に少しずつ言い換える

長く「いい人」を続けてきた人には
つい口をついて出てくる「定番フレーズ」があることが多いです。

たとえば、次のような言葉です。

  • 「大丈夫だよ」
  • 「何でもいいよ」
  • 「気にしないで」
  • 「全然平気」

本当は少し無理をしていても
反射的にこうした言葉が出てしまうことがあります。

ここから一気に「きつい本音」に切り替えるのではなく
「いい人フレーズ」に、少しだけ自分の気持ちを足す形で練習していきます。


言い換えの具体例

  • 「大丈夫だよ」
     →「大丈夫だよ。ただ、少し疲れているから早めに帰れると助かる」
  • 「何でもいいよ」
     →「どっちでも大丈夫だけど、どちらかといえばこっちの方がうれしいかな」
  • 「気にしないで」
     →「そんなに気にしなくて大丈夫だよ。でも、正直ちょっと寂しかった」
  • 「全然平気」
     →「大きな問題じゃないけれど、実は少しモヤモヤした」

ポイントは
「今までのフレーズを完全にやめる」のではなく
そこに一行だけ自分の本音を足すことです。

この小さな言い換えが
「素の自分」を出す練習になります。
相手も、急に別人になったようには感じにくく
関係に与える負荷も少なくて済みます。


本音を伝える前後の「セルフケア」をセットにする

本音を伝えることは
慣れていない人にとっては、かなりエネルギーのいる行動です。

伝えた直後に
「言い過ぎたかもしれない」
「変に思われたかもしれない」
という不安が強くなることも自然な反応です。

だからこそ
本音を伝えるときは「セルフケア」とセットで考えておくと安心です。


本音を伝える前のケア

  • メモに「今日伝えたいこと」を簡単に整理しておく
  • 「相手を責めるためではなく、自分を大事にするために話す」と心の中で確認する

こうしておくと
会話の途中で不安になったときにも
自分の目的を思い出しやすくなります。


本音を伝えた後のケア

  • その日の夜に「伝えられた自分をねぎらう一言」をノートに書く
     例:「よく言えた」「怖かったけれど、一歩前に進んだ」
  • 相手の反応だけでなく
     「自分が自分の気持ちを大事にできたかどうか」にも目を向ける

相手の返事が
すぐに理想通りになるとは限りません。
それでも「自分の気持ちを無視しなかった」という事実は
少しずつ自己肯定感の回復につながっていきます。


それでもうまくいかないときに考えたい「相性」と「安全性」

こちらが丁寧に本音を伝えようとしても
必ずしも相手が受け取ってくれるとは限りません。

たとえば、次のような反応が続く場合があります。

  • 真剣に話しているのに、からかわれる
  • 何度伝えても、全く聞こうとしない
  • 感情を打ち明けると、逆ギレされる
  • 「お前が悪い」「お前が我慢しろ」と一方的に責められる

このような状態が続くとき
「素の自分を出せない」のは
自分の努力不足だけではなく
「素を出すと危険に感じる相手」である可能性も出てきます。

ここで大事になるのが
「相性」と「安全性」という視点です。


相性について考える視点

  • 自分が少し本音を出したときに、相手はどう反応するか
  • 相手も、自分の気持ちを話そうとしてくれているか
  • 一方だけが我慢し続ける関係になっていないか

相性が悪いというのは
どちらか一方が「悪い人」という意味ではありません。
ただ
お互いの価値観やコミュニケーションのスタイルが
かみ合っていない可能性があります。


安全性について考える視点

  • 本音を出すたびに、強い否定や暴言が返ってこないか
  • 不安を話しただけで、「黙れ」「面倒くさい」と突き放されないか
  • モラハラ的な言動や、精神的な攻撃が習慣化していないか

「素の自分を出す練習」をしても
毎回強く傷つくばかりであれば
そこは「素を出してはいけない自分」ではなく
「素を出すには安全ではない関係」である可能性があります。

その場合は
信頼できる友人や家族、相談窓口やカウンセラーなど
恋人以外の人にも話を聞いてもらうことが大切です。

自分の感じている違和感や怖さを
一人で抱え込まないこと。
「素の自分を出せるかどうか」は
自分の心のテーマだけでなく
関係性の質を見直すサインにもなります。


「素の自分を出す」というと
一気にすべてをさらけ出さないといけないように感じるかもしれません。

実際には

  • 小さな本音を一つ足してみる
  • 「いい人フレーズ」に少しだけ自分の気持ちを混ぜてみる
  • 伝えた自分を、その都度ねぎらっていく

この積み重ねの中で
少しずつ「演じ続けなくていい関係」が育っていきます。

次の章では
こうしたステップを踏んでもなお不安が強いときの
よくある疑問や相談を、FAQ形式で整理していきます。


よくある質問(FAQ)|「いい人」をやめていく過程での悩み

ここでは
「いい人」をやめていこうとしたときに出てきやすい不安や疑問を
Q&A形式で整理します。

本文だけでは拾いきれなかった細かな悩みにも触れていきます。
自分に近い問いから読んでみてください。


Q1:素の自分を出したら、恋人に嫌われてしまいそうで怖いです。

素の自分を出すときに
「嫌われたらどうしよう」という不安が出てくるのは自然な反応です。

これまで「いい人」を続けてきた人ほど

  • 本音を出す
  • 断る
  • 疲れたと言う

といった行動が、関係を壊す行為のように感じやすくなります。

ただ
「嫌われる可能性」だけでなく
「関係が楽になる可能性」も同時に存在しています。

本音を少しずつ出していくことで

  • あなたが無理をしなくてよくなる
  • 相手も、あなたの本当の状態を知りやすくなる
  • 結果として、長く続けやすい関係になる
    という変化が起きることもあります。

いきなりすべてをさらけ出す必要はありません。
この段階では、次のような考え方がおすすめです。

  • いきなり大きな本音ではなく、小さな本音から伝えてみる
  • 一度で完璧に伝えようとせず、何回かに分けて話すイメージを持つ
  • 伝えたあとは「よく言えた」と、自分をねぎらう時間を取る

「素を出す=一か八かの賭け」ではなく
「少しずつ自分に合わせた関係に近づけていく作業」と考えると
心の負担が少し軽くなることがあります。


Q2:どこまでが「素の自分」で、どこからが「わがまま」なのか分かりません。

「素直に言っているつもりでも、実はわがままなのでは」
と不安になる人も多いです。

その線引きの目安として
次の二つの視点が役に立ちます。

1つめは
「自分だけが得をする要求かどうか」という視点です。

  • 相手の予定や気持ちを一切考えずに、自分の希望だけを押し通そうとしているか
  • それとも、自分の気持ちを伝えつつ、相手の都合も一緒に考えようとしているか

後者であれば
それは「わがまま」というより
関係全体を楽にするための「提案」に近いことが多いです。

2つめは
「言ったあとに、自分で納得できるかどうか」という視点です。

本音を伝えたあとで

  • 相手を困らせたいだけだった
  • 相手をコントロールしたかった
    と自分で感じるなら、調整が必要かもしれません。

一方で

  • 自分の体調や時間を守るために必要だった
  • 我慢し続けるよりも、関係にとって誠実だと感じる
    のであれば、それは大切な自己表現です。

迷ったときは
「関係全体が少しでも楽になる提案かどうか」
を一度立ち止まって考えてみると
自分の中で整理しやすくなります。


Q3:頑張って本音を伝えても、相手が受け止めてくれません。どうしたらいいですか?

本音を伝えるのは勇気が要る行動です。
それでも相手が受け止めてくれないとき
「やっぱり言わない方がよかった」と感じてしまうかもしれません。

まずは
「伝え方」と「相手の受け取り方」を分けて考えてみることが大切です。

自分側で工夫できるポイント

  • 責める言い方ではなく、「私はこう感じた」という主語で話しているか
  • 事実と感情を分けて伝えているか
     例:「○○のとき、連絡がなかった」という事実と
       「そのとき私は寂しく感じた」という気持ちを分ける
  • 一度にたくさんの不満を出しすぎず、テーマを一つに絞っているか

ここを見直すことで
相手が受け止めやすくなる場合もあります。

そのうえで
相手の反応も確認してみます。

  • 話を最後まで聞こうとしているか
  • こちらの気持ちを理解しようとする姿勢があるか
  • 少しでも行動や態度を変えようとしてくれているか

これらが全く見られない状態が長く続くなら
「相手が変わるかどうか」と
「自分がどうありたいか」を分けて考える必要が出てきます。

相手が今すぐ変われるとは限りません。
それでも

  • 自分は、自分の気持ちを大切にして生きたいのか
  • この関係で、どこまでなら自分を削らずにいられるのか
    という視点は、自分にしか決められません。

一人で整理するのが難しい場合は
信頼できる友人や家族
あるいはカウンセラーなど外部の専門家に話してみるのも選択肢です。


Q4:カウンセリングや専門家に相談した方がいいのはどんなときですか?

「いい人をやめたい」「素の自分を出したい」というテーマは
一人で向き合うには負荷が大きいこともあります。

次のような状態が続いている場合は
専門家に相談する目安と考えてかまいません。

  • 本音を出そうとすると、強い不安や動悸が出る
  • 過去のつらい記憶が何度もよみがえり、日常生活に支障が出ている
  • 恋愛のことを考えると、眠れない・食欲が落ちる日が続いている
  • 自分を責める気持ちが強く、「消えてしまいたい」と感じることがある

ここでいう専門家には
臨床心理士、公認心理師、心理カウンセラー、心療内科医などが含まれます。

カウンセリングは
「自分でどうにもできなくなってから行く場所」というイメージを持たれがちです。
実際には

  • 自分一人では整理しきれないテーマを、一緒に言葉にしてもらう場
  • 過去の経験と今の行動のつながりを、安全な環境で見直す場
    として利用することができます。

「この程度で相談していいのかな」と迷うときほど
早めに一度話を聞いてもらうことで
心の負担が軽くなるケースも多いです。

自分を責め続けるためではなく
これからの自分を少し生きやすくするためのサポートとして
専門家を選択肢に入れてみてもよいかもしれません。


まとめ|「いい人」から少しずつ「自分らしい人」へ

ここでは
これまでの記事全体を振り返りながら
「いい人」をやめるのではなく
「自分らしい関わり方」に近づいていくための視点をまとめます。

いきなり別人のように変わる必要はありません。
今日からできる一歩を決めていくイメージで読んでみてください。


「いい人」は欠点ではなく、これまでの工夫だったと捉え直す

まず最初に
「いい人を演じてきた自分」を否定しないことが、とても大切です。

恋人の前で素の自分を出せなかったのは
弱さやズルさのせいではありません。
人間関係の中で傷つかないようにするために
必要だった「工夫」だった可能性が高いです。

たとえば

  • 家族の中で、いつも空気を読んできた
  • 学校や職場で、波風を立てない役割を担ってきた
  • 断ると嫌われそうで、合わせた方が安全だと感じてきた
    という経験が積み重なると
    「いい人でいること」が、生きるための基本姿勢になりやすくなります。

その結果として
恋愛でも同じスタイルを続けているだけ、ということも多いです。

ですから
「なんで私は本音を言えないんだろう」ではなく
「今までは、それが一番安全だったんだな」と捉え直してみてください。

そう考えることで
これまでの自分を責める気持ちが少し和らぎます。
そのうえで
「これからは、もう少し自分に優しいやり方を試してみよう」と
未来に目を向けやすくなります。


まず変えるのは「相手」ではなく「自分の感情の扱い方」

「素の自分を出せない」と感じるとき
多くの人は

  • 恋人にもっと分かってほしい
  • 相手の反応を変えたい
    と思いやすくなります。

もちろん
相手との関係を見直すことも大切です。
ただ
一番最初に取り組むと役立ちやすいのは
「自分の感情の扱い方」を整えることです。

感情の扱い方が整ってくると

  • 何がイヤで、何がうれしいのか
  • どこまでなら合わせられて、どこからは無理なのか
    が、自分の中で少しずつはっきりしてきます。

その土台があるほど
恋人に伝える言葉も選びやすくなります。

具体的には、次のようなステップが役に立ちます。

  • 1日の終わりに「今日はどんな感情が強かったか」を一つ書き出す
  • モヤモヤした場面ごとに「本当はどうしてほしかったか」をノートに残す
  • 「ここまではOK」「ここから先はNO」と感じた出来事をメモしておく

こうした小さな記録が
自分の境界線を知るためのヒントになります。

相手を変えようとする前に
自分の内側を少し整える。
この順番を意識することで
「伝え方」も「選ぶ言葉」も、少しずつ変わっていきます。


次の恋愛でも今の恋愛でも活きる「小さな実験」を一つ選ぶ

最後に
この記事を読み終えた今だからこそ
「今日から試してみる小さな実験」を一つだけ決めてみてください。

大きな目標を掲げる必要はありません。
むしろ
「これならギリギリできそう」というレベルがおすすめです。

たとえば、次のような一歩です。

  • いつも「大丈夫」と言っていた場面で
     「今日は少し疲れているかも」と一言だけ足してみる
  • 何でも相手に合わせていたデートで
     「どちらかというと、こっちがいいな」と自分の希望を一つだけ伝える
  • 本音を言えなかった一日の終わりに
     「本当はあのとき、こう言いたかった」とノートに書いてみる

これらはどれも
すぐに関係を大きく変えるものではありません。

ですが
こうした「小さな実験」が積み重なることで

  • 自分の感情をキャッチしやすくなる
  • 自分の希望を言葉にしやすくなる
  • 「素の自分」を出しても大丈夫だった経験が少しずつ増えていく
    という変化が起こりやすくなります。

大事なのは
「全部を一度に変えよう」としないことです。

「今日は一つだけ、自分側でできることを選んでみる」
その繰り返しが
「いい人」から「自分らしい人」へのゆるやかな移行になっていきます。

今の恋愛にも
これから出会う恋愛にも
今回の気づきや実験が、少しでも役に立てば幸いです。

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