【相談】バツイチ同士の恋愛が不安 前の結婚と比べてしまうときの向き合い方
離婚を経験したあとに始まった恋愛。相手もバツイチであればこそ、前の結婚生活や元配偶者の存在が頭をよぎり、不安になることがあるかもしれません。
「また同じ失敗をするのでは」「前の結婚と比べてしまう自分はおかしいのでは」と考えるほど、今の関係を素直に受け取れず、自分を責めてしまうこともあります。
この記事では、前の結婚と比べてしまう心の動きを整理しながら、今のパートナーとの関係を大切に育てていくための考え方と具体的な行動をまとめます。過去をなかったことにするのではなく、経験を活かしつつ、これからの二人の関係を見つめ直すきっかけになればうれしいです。
この記事で分かること
- バツイチ同士の恋愛で不安になりやすい場面と心のサイン
- 前の結婚と比べてしまう心理背景と、自分を責めすぎない考え方
- 過去の結婚経験を整理し、今の関係に生かすためのワークやセルフケア
- 不安や比較心をパートナーに伝えるときのポイントとフレーズ例
- 子どもや元配偶者、親など周囲との関係を含めた向き合い方と今後のヒント
バツイチ同士の恋愛が不安になるときのサインとよくある状況
バツイチ同士の恋愛は、お互いに経験があるぶん話が通じやすかったり、離婚のつらさを理解し合えたりする良さがあります。
一方で、前の結婚生活の記憶や元配偶者の存在が頭をよぎり、今の関係に素直に安心しきれないという悩みも起こりやすいです。
ここでは、どんな場面で不安になりやすいのか、そしてどのような心の動きが起きているのかを整理していきます。
まずは、自分の状態を落ち着いて言葉にしていくところから始めていきましょう。
前の結婚生活がよぎってしまう瞬間とは
前の結婚生活を思い出すきっかけは、意外と日常のささいな場面に隠れています。
たとえば
- 一緒にスーパーへ行って、買い物かごに入れるものを選んでいるとき
- 家事の分担や役割について話しているとき
- 休日の過ごし方を相談しているとき
- 旅行の計画や記念日の過ごし方を話しているとき
こうした場面で、過去の記憶がふっと浮かんでくることがあります。
「前の結婚のときはこうしていたな」と、昔の習慣やルールを思い出す人も多いです。
また、良かった記憶だけが浮かぶとは限りません。
喧嘩が多かったことや、我慢していたこと、離婚前のぎすぎすした雰囲気など、つらかった場面も一緒に思い出してしまいやすいです。
今のパートナーと一緒にいるのに、頭の中では前のパートナーとの出来事がよみがえっている。
そのギャップに戸惑いを覚え、「自分は過去を引きずっているのでは」と不安になる人もいます。
大事なのは、そうした記憶が浮かぶこと自体は「おかしなこと」ではないという点です。
結婚生活は、日々の積み重ねの記憶なので、似たような場面に出会うと昔の記憶がよぎるのは自然な反応でもあります。
そのうえで、どんな場面でよぎりやすいのかを知っておくことで、今後の対処を考えやすくなります。
今のパートナーを前の配偶者と比べてしまう行動・感情パターン
前の結婚生活を思い出すだけでなく、今のパートナーと前の配偶者を無意識に比べてしまうこともあります。
たとえば
- 性格の違い
明るさ、真面目さ、会話の多さなどを比べてしまう。 - 収入や仕事への向き合い方
安定度、働き方、家計への貢献の仕方を気にしてしまう。 - 家事や育児への関わり方
どこまで手伝ってくれるか、子どもにどう接するかを比べる。 - 価値観や将来に対する考え方
お金、住まい、老後、家族との付き合い方などの違いが気になる。
頭の中で
「前の人の方がここは良かった」
「今の人の方がこの点は助かる」
といった比較表のようなものを作ってしまうこともあります。
比べたあとで、
「こんなことを考える自分は最低なのでは」
「今のパートナーに失礼だ」
と自分を責めてしまい、罪悪感で苦しくなる方も少なくありません。
比較自体は、離婚という大きな経験をしたからこそ起こる自然な反応でもあります。
ただ、その比較が「どちらが上か下か」「どちらが正しいか」といった勝ち負けの意識に変わってしまうと、今の関係をそのまま受け取ることが難しくなってしまいます。
自分がどんなポイントで比べやすいのか。
比べたあとにどんな気持ちになりやすいのか。
この流れを理解することが、次のステップへの土台になります。

幸せなはずなのに不安が消えないときの心のサイン
バツイチ同士の恋愛では、「今は幸せだと感じる場面もあるのに、不安がなぜか消えない」という状態になることがあります。
たとえば
- パートナーが優しくしてくれているのに、心のどこかで落ち着かない
- 一緒にいて楽しい瞬間があるのに、「この幸せは長く続かないのでは」と不安になる
- 将来の話が出たとき、うれしさよりも先に緊張や怖さが出てくる
中でも多いのが、
「今はうまくいっているけれど、また同じように終わるのではないか」
という考えが頭をよぎるケースです。
結婚や再同居、再婚の話題が出たときに、急に不安が強くなる人もいます。
言葉にはしにくいけれど、
「もう一度失敗したら立ち直れないかもしれない」
「また傷つくくらいなら、距離を保っていた方が安全かもしれない」
と感じて、心にブレーキがかかることもあります。
こうした不安は、「今の相手を信じていないから」だけが理由ではありません。
過去の経験から、自分を守ろうとする心の働きが強くなっている可能性もあります。
幸せな瞬間もあるのに、なぜか安心しきれない。
前の結婚のときの終わり方が忘れられない。
結婚や一緒に暮らす話題が出ると、急に心臓が早くなったり、そわそわしたりする。
これらは、心が「慎重になっているサイン」としてとらえることもできます。
このサインを無視せず、「何が怖いのか」「どんなことが不安なのか」を少しずつ言葉にしていくことで、次のステップにつなげやすくなります。
前の結婚と比べてしまう心理|罪悪感と不安の正体
前の結婚と比べてしまうとき、多くの人は「こんなことを考える自分は良くない」と感じがちです。
しかし、そこにはいくつかの心の働きがあり、決して「性格が悪いから」「過去に執着しているから」だけではありません。
離婚という大きな出来事を経験したからこそ、次の関係では慎重になりやすくなります。
また、自分の価値に自信を持ちにくくなったり、相手の過去や子どもの存在に複雑な気持ちを抱えたりすることもあります。
ここでは、前の結婚と比べてしまう心理の背景を整理しながら、罪悪感と不安の正体を落ち着いて見つめていきます。
離婚経験が「また失敗したくない」という警戒心を強める
一度離婚を経験すると、多くの人が心のどこかで「もう同じ失敗はしたくない」と感じます。
これは、とても自然な反応です。
前の結婚で
- うまくいかなかったこと
- 我慢していたこと
- 話し合えなかったこと
- 最終的に別れに至った経緯
を覚えているからこそ、次の関係では同じ道をたどらないように、注意深くなります。
その結果、今のパートナーとの関係の中で、つい次のような見方をしやすくなります。
- 前はこういうときに喧嘩が増えたけれど、今はどうだろう
- 前の人は家事にあまり協力的ではなかったけれど、この人はどうか
- 前の結婚で失敗したポイントを、今回はクリアできているのか
つまり、過去の失敗を「教訓」として生かそうとして、今の相手をチェックするような目線が強まりやすいのです。
このチェックが行き過ぎると、
「前の人よりマシかどうか」
「前の結婚より良いかどうか」
という評価軸で今の関係を見てしまうことがあります。
それは、決して性格が悪いからではなく、自分を守りたい心の働きとも言えます。
ただ、そのままにしておくと、今のパートナーを「一人の人」として見る前に、「過去との比較対象」として見てしまい、関係を素直に味わいにくくなってしまいます。
自己肯定感の揺らぎと「自分が選ばれるのか」という不安
離婚は、多くの人にとって大きな出来事です。
相手から別れを告げられた場合はもちろん、自分から離婚を決めた場合でも、「自分はパートナーとしてどうだったのか」という問いが残りやすくなります。
その結果、自己肯定感が揺らぎ、次のような不安が生まれやすくなります。
- 前の相手の方が、実は良いところが多かったのではないか
- 自分には、長く続く関係を築く力が足りないのではないか
- またいつか、今のパートナーも自分から離れていくのではないか
こうした不安は、「自分が選ばれるのか」「自分はパートナーとして十分なのか」というテーマと深く結びついています。
相手に大切にされているサインがあっても、
「本当は自分より前の人の方が良かったのでは」
「前の配偶者の方が、相手の家族に気に入られていたのでは」
と考えてしまうこともあります。
離婚という経験そのものが、「自分は結婚生活に失敗した」というラベルになってしまうと、自分を評価する基準が厳しくなりがちです。
そのため、前の結婚と比べてしまう行為は、自分の価値を測ろうとする行動の一部とも言えます。
大切なのは、
「比べてしまう=今の相手を大切にしていない」
という単純な話ではない、という点です。
むしろ、今度こそ大事にしたい気持ちが強いからこそ、不安や警戒心が大きくなっている場合もあります。
相手の過去・子ども・元配偶者への複雑な感情
バツイチ同士の恋愛では、お互いに「過去の結婚生活」があります。
そこには、元配偶者との歴史や、子ども、元義理の家族とのつながりなど、さまざまな要素が含まれています。
相手側に子どもがいる場合、
- 休日に子どもと会う予定を優先する姿を見て
- 元配偶者との連絡が続いている様子を知って
「自分は後からの人だ」と感じてしまうことがあります。
頭では
「子どもを大切にしているのは良いこと」
「元配偶者とも、必要な範囲で関係が続くのは仕方ない」
と理解していても、心のどこかで複雑な思いが生まれることは自然です。
たとえば
- 過去を尊重したい気持ち
- 自分の存在も大切にしてほしい気持ち
- どこかで元配偶者と競ってしまう気持ち
これらが同時に存在するため、感情が揺れやすくなります。
また、自分にも前の配偶者との歴史や子どもがいる場合、
「お互いさま」と頭では理解していても、やはり気持ちは単純ではありません。
元配偶者との出来事を思い出し、今のパートナーとどう向き合えばよいのか迷う瞬間も出てきます。
相手の過去を完全に消すことはできません。
一方で、過去の存在が強く感じられるほど、今の自分の立場が揺らいでいるように感じることもあります。
このような複雑な感情は、「心が弱いから」ではなく、
- 過去を尊重したい
- 今の関係も大切にしたい
その両方を大事にしようとしているからこそ、生まれているとも言えます。
自分の中に矛盾する気持ちがあることを認め、そのうえで「どこまでを受け止められるか」「どこからが苦しいか」を少しずつ整理していくことが、次のステップへつながっていきます。
前の結婚を引きずったままの恋愛が二人の関係に与える影響
前の結婚と今のパートナーを比べてしまうことには、自然な理由があります。
ただ、その状態が続きすぎると、少しずつ今の関係に負担がかかっていきます。
ここでは、脅かすためではなく、「今の二人の関係を守るために、どこに負荷がかかりやすいのか」を冷静に整理していきます。
そのうえで、次のパートで扱う「今できる対策」につなげる土台にしていきましょう。
無意識の比較が今のパートナーへの不信感につながる流れ
前の結婚生活が頭のどこかに残っていると、今のパートナーの言動を見たときに、心の中で次のような比較が生まれやすくなります。
「前の人はもっと家事をしてくれていた」
「前の人は、こういうときにこう言ってくれた」
「前はこういうことで揉めたから、今回も同じようになるかもしれない」
この「内心での比較」は、最初はただの感想に近いものでも、積み重なると次のような流れにつながりやすくなります。
- 今の相手の小さな言動が、必要以上に気になる
- 少しのミスや不親切さを「やっぱりこういう人なんだ」と拡大して受け取ってしまう
- 相手の良いところよりも、前の結婚と比べたときの「足りない部分」に意識が向きやすくなる
その結果、根拠の薄い不信感が育ちやすくなります。
本当は、今のパートナーなりに誠実に向き合おうとしている場面でも、
「本音ではどうせ続けるつもりがないのでは」
「そのうち前と同じように変わっていくのでは」
と疑ってしまい、安心しきれません。
このような不信感は、相手の裏切りや不誠実さからだけで生まれているとは限りません。
前の結婚で傷ついた経験が、「今度こそ見落とさないように」という警戒心として働き、相手の行動を厳しくチェックするクセにつながっている可能性もあります。
自分自身を追い詰めてしまう「負けている感覚」
前の配偶者や、相手の元配偶者と自分を比べ続けると、今度は自分自身が苦しくなっていきます。
たとえば、次のような考えが浮かぶことがあります。
「元の奥さん(旦那さん)の方が条件が良かったのでは」
「前の結婚の方が、実は幸せだったのでは」
「自分は二番目・予備のような立場なのではないか」
そう感じるたびに、自分の評価が少しずつ下がっていくような感覚が続きます。
パートナーから大切にされているサインがあっても、素直に受け取る前に、
「これは本心なのか」
「本当は前の人の方が特別だったのでは」
と疑いを挟んでしまいやすくなります。
幸せを感じる瞬間があっても、
「どうせこれは一時的なもの」
「またいつか終わるはず」
と、心の中で自分から打ち消してしまうこともあります。
このような状態が続くと、
- うれしい出来事をその場で味わいにくい
- 自分の良さや魅力に目を向ける時間が減る
- 「どうせ自分なんて」という気持ちが強まりやすい
といった形で、自分自身を追い詰めやすくなります。
比較してしまうことは、過去の経験からすればある程度自然な反応です。
ただ、「比べ続けている自分」を責めることが、さらに苦しさを増やしている場合もあります。
過去へのこだわりが、新しい関係の成長を妨げる理由
前の結婚での出来事や失敗を思い出すことには、「もう同じことを繰り返したくない」という大切な意図があります。
一方で、過去のパターンに意識が向きすぎると、「今の二人だからこそ作れる関係」を試す余裕が減ってしまいます。
たとえば、
- 前の結婚でうまくいかなかった家事分担のパターンを、今回もそのまま当てはめて考えてしまう
- 前のパートナーに言えなかった本音を、今の相手にも「どうせ理解されない」と決めつけて飲み込んでしまう
- 前の結婚の終わり方を前提に、「最終的にはこうなるはず」と未来を悲観的に想定してしまう
といった形で、過去のシナリオを今の関係に重ねてしまうことがあります。
そうすると、本来なら
- 今の二人に合ったコミュニケーションの形
- 前の経験を踏まえて工夫できる家事やお金の管理の仕方
- 新しい価値観のすり合わせ方
を、一緒に試していけるはずの場面で、「どうせ無理」「きっと同じことの繰り返し」とあきらめる方向に傾きやすくなります。
過去を完全に手放す必要はありません。
むしろ、前の経験から学べることはたくさんあります。
大切なのは、
「前はこうだったから、今回もこうなるはず」
だけでなく、
「前はこうだったから、今回はこう変えてみてもいい」
という発想を持てるかどうかです。
そのためには、比較の視点よりも、今の二人の小さな変化や工夫に目を向けていくことが重要になります。
次のパートでは、前の結婚を教訓として整理しつつ、今の関係を育てていくための具体的なステップについて考えていきます。
まず自分の離婚経験を整理する|過去の結婚から学べること
前の結婚を思い出すとき、どうしても「失敗」「後悔」といった言葉が浮かびやすくなります。
ただ、離婚という出来事には、つらさだけでなく、今の自分の考え方や価値観を形づくった要素も多く含まれています。
ここでは、前の結婚を責任の押し付け合いとして振り返るのではなく、「自分の傾向や大切にしたい価値を知る材料」として整理し直すことを目的にします。
過去を無理に美化する必要も、過度に否定する必要もありません。事実を丁寧に見つめることが、今の関係を落ち着いて育てていくための土台になります。
前の結婚でつらかったこと・良かったことを書き出す
まずは、前の結婚生活での出来事を、頭の中だけで考えるのではなく、紙やメモアプリに書き出してみることをおすすめします。
書くときのポイントは、次のような視点です。
- 離婚の直接的な理由だけでなく、日常で我慢していたこと
- 当時、苦しかった出来事やモヤモヤしていた場面
- それでも「良かった」と感じていたことや、ありがたかった部分
たとえば、
- つらかったこと
- 話し合いをしようとしても、相手がすぐに怒って話を閉じてしまった
- 家事や育児の負担が片方に偏っていた
- 金銭感覚の違いから、いつも不安があった
- 良かったこと
- 一緒に趣味を楽しめる時間があった
- 相手の家族と過ごす時間から学べたことがあった
- 経済的に支え合えた期間があった
というように、「悪い面だけ」「良い面だけ」に偏らないように、両方を書いてみます。
このとき、
「全部相手が悪かった」
「全部自分が悪かった」
といった極端な結論に飛びつかないことが大切です。
事実として何が起きていたのかを、なるべくそのままの形で書き出してみると、感情と出来事を少し切り分けて見られるようになります。
そのうえで、「あのときの自分は、よく頑張っていた部分もあった」という視点も、少しずつ取り戻しやすくなります。

自分のコミュニケーションパターンや距離感のクセを振り返る
次に、前の結婚生活の中での「自分の関わり方」にも目を向けてみます。
これは、自分を責めるためではなく、「同じパターンを無意識に繰り返さないため」の振り返りです。
たとえば、こんな問いかけをしてみます。
- 我慢しすぎていたことはなかったか
- 言いたいことを飲み込んで、限界までため込んでから爆発してしまった
- 相手の機嫌を最優先にして、自分の希望をほとんど出せなかった
- 逆に、感情をぶつけすぎていた場面はなかったか
- まとまっていない不満を、一度に感情的に伝えてしまった
- 相手を責める言い方になりやすく、話し合いが「勝ち負け」になっていた
- 話し合いそのものを避けてしまっていなかったか
- 「言っても分かってもらえない」と思い、早い段階であきらめていた
- 衝突を避けるために、本音に触れる話題を避け続けていた
こうした振り返りをすることで、
「自分には、距離を取りすぎるクセがあった」
「逆に、近づきすぎて相手の領域に踏み込みやすかった」
といった、自分なりのパターンが少し見えてきます。
ここで大事なのは、
「だから自分はダメだ」と結論づけることではありません。
むしろ、
「自分にはこういう傾向があるから、今の関係ではここを意識してみよう」
と、今後に生かすための手がかりとして扱うことです。
前の結婚から得た「大切にしたい価値」と「もう繰り返したくないこと」
最後に、前の結婚を通して分かったことを、「自分が大切にしたい価値」と「もう無理をしたくない領域」という形で整理してみます。
たとえば、次のような観点があります。
- 大切にしたい価値
- お金の使い方や貯金について、互いに話し合えること
- 家事・育児・仕事の負担について、片方だけに偏らないように気を配ること
- 感情的な言い合いになっても、最終的には対話に戻ろうとする姿勢
- もう繰り返したくないこと
- 我慢を続けて、ある日突然限界を迎える関係
- 話し合いを避け続け、気づいたら心が離れていた状態
- 相手か自分、どちらか一方だけが「頑張れば何とかなる」と背負い込む形
こうして言葉にしておくと、今のパートナーとの関係の中で、次のような場面で役立ちやすくなります。
- 新しいルールや生活スタイルを決めるときに、「前の結婚で苦しかったことは、ここで調整しておきたい」と自分でも分かる
- 「これは譲れても、ここはこれ以上無理をしたくない」という境界線を、自分自身が理解できる
- 前の経験を元に、早い段階で小さな違和感を話し合おうとする意識が持てる
前の結婚を「二度と思い出したくないもの」として封じ込めてしまうと、今の関係で生かせる学びも一緒に閉じ込めてしまいやすくなります。
一方で、「すべてが失敗だった」と決めつける必要もありません。
つらさも、良かった部分も、大切にしたい価値も含めて整理し直すことで、今のパートナーとの関係を、自分らしく選び直していくための土台をつくることができます。
前の結婚と今の関係を切り分けるための考え方とセルフケア
前の結婚を経験していると、「比べないようにしよう」と頭で決めても、ふとした瞬間にどうしても比べてしまうことがあります。
ここでは、比べることをゼロにするのではなく、比べたくなる自分をケアしながら、少しずつ意識の向け先を変えていくためのヒントを整理していきます。
比べてしまった自分を責めすぎないための視点
まず一番大切なのは、「比べてしまった自分を、さらに責め続けないこと」です。
離婚経験がある人には、前の結婚生活という具体的な「比較対象」があります。
良くも悪くも、一度経験しているからこそ、今の出来事を前の関係と比べてしまうのは、とても自然な反応とも言えます。
「前の方がこうだったな」と思い出すのは、過去を引きずっているというよりも、
「もう同じ失敗はしたくない」
「今回は大切にしたい」
という気持ちが強いからこそ、チェックが厳しくなっている側面もあります。
ですから、比べてしまったと気づいたときは、
「また比べてしまった、自分はダメだ」
ではなく、
「それだけ不安が動いているんだな」
「今の自分は、安心したい気持ちが強くなっているんだな」
と、自分の心のサインとして受け止める視点を持ってみてください。
比べることを完全に禁止すると、かえって心の中で比較が大きくなりやすくなります。
「比べてしまうのは今の自分の状態。そこに気づけたこと自体が一歩」と考えるだけでも、少し息がしやすくなることがあります。
過去と現在を整理する簡単なノートワーク
頭の中だけで考えていると、前の結婚と今の関係の記憶や感情がごちゃ混ぜになりやすくなります。
そこでおすすめなのが、「前の結婚」と「今の関係」をノート上で意図的に分けて書くワークです。
やり方はシンプルです。
- ノートを一ページ開き、真ん中に縦線を引く
- 左側に「前の結婚」、右側に「今の関係」と書く
- それぞれについて、
- 良かった点・助けられた点
- 難しかった点・つらかった点
を思いつく範囲で書き出す
このときのポイントは、「どちらが上か下か」を決めるために書くのではなく、「違い」を見えるようにするために書くことです。
たとえば、
- 前の結婚
- 家事は分担できていたが、お金の不安が大きかった
- 一緒に過ごす時間は長かったが、深い話はしにくかった
- 今の関係
- お金の話はしやすいが、生活リズムが合わずすれ違いが出やすい
- 趣味を共有できて、一緒に出かけると楽しい
というように、「どちらが勝っている・負けている」ではなく、
「関係性の特徴がそれぞれ違うだけ」という見方を少しずつ育てていきます。
また、書き出したものを見返してみると、
- 前の結婚で我慢していたことが、今はできている部分
- 逆に、今だからこそ新しく出てきた課題
なども見えてきます。
これに気づけると、
「前の結婚が全部ダメだったわけでもないし、今の関係が全部劣っているわけでもない」
という、少し柔らかい受け止め方にシフトしやすくなります。
不安が強くなったときにできるセルフケアの具体例
「前の結婚と比べてしまう」状態は、多くの場合、心が疲れていたり、不安が大きくなっていたりするときに強まりやすくなります。
頭の中で考え続けるほど、不安が膨らみやすくなるため、一度「考える」から離れる時間を意識的につくることが大切です。
できるセルフケアの例としては、次のようなものがあります。
- 身体を少し動かす
- 短時間の散歩をする
- ストレッチや軽い体操をして呼吸を整える
身体を動かすことで、頭の中でぐるぐるしていた考えが少し緩みやすくなります。
- 深い呼吸を意識する時間を取る
- 静かな場所で、ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐くことを数分続ける
- 「今、不安を感じているな」と心の状態に名前をつける
感情に名前をつけるだけでも、飲み込まれにくくなることがあります。
- 信頼できる友人に「全部」ではなく「一部」を話してみる
- すべてを理解してもらおうとするのではなく、「最近こんなことでモヤモヤしている」と短く共有する
- 意見をそのまま採用するのではなく、「自分はどう感じるか」を改めて考えるきっかけにする
- 自分を落ち着かせる小さな習慣を持つ
- 好きな飲み物をゆっくり飲む時間をつくる
- 日記やメモに、今日できたこと・うれしかったことを1〜2個だけ書く
- 好きな音楽やラジオを流し、「考え事をしない時間」を意識してとる
ポイントは、不安が強くなったときに、前の結婚や今のパートナーのことを頭の中でさらに掘り下げ続けないことです。
一度距離を置き、自分を落ち着かせる行動を挟むことで、「比べてしまうモード」から少し抜け出しやすくなります。
そのうえで、心が落ち着いてきたタイミングで、
「今の関係で大事にしたいことは何か」
「今日、できている小さなことは何か」
といった問いに、ゆっくり戻っていけると、少しずつ「過去」より「今」と「これから」に意識を向ける時間が増えていきます。
不安や比較心をパートナーに伝えるときのコミュニケーション
前の結婚と今の関係を切り分けようとしても、不安や比較心が強くなると、自分の中だけでは抱えきれないことがあります。
その気持ちを誰にも言えないままにしておくと、相手のちょっとした言動にも過敏になり、距離が広がっていく原因にもなります。
ここでは、パートナーを責めずに、自分の不安や比較してしまう気持ちを伝えるためのコミュニケーションについて整理していきます。
目的は「相手を変えること」ではなく、二人で不安を共有し、これからの付き合い方を一緒に考えられる状態をつくることです。
NGに近い伝え方と、伝わりやすい伝え方の違い
不安が強いときほど、つい次のような言い方になりやすくなります。
- 「前の夫(妻)の方が家事はちゃんとしてくれた」
- 「元奥さんの時はもっと稼いでいたんでしょ」
- 「どうせ私なんて、前の人より劣っているでしょ」
こうした伝え方は、パートナーにとっては「比較されて責められている」と受け取られやすくなります。
相手も防衛的になり、
「そんなことはない」「前の話を持ち出さないでほしい」
と反発したくなるのも自然な反応です。
比べてしまう気持ちを伝えたいときに大切なのは、主語を相手ではなく自分にすることです。
たとえば、次のような言い方だと、同じ内容でも伝わり方が変わってきます。
- 「前の結婚のことを思い出して、不安になることがある」
- 「過去のことと比べてしまって、自分で自分を苦しくしている感じがする」
- 「あなたを責めたいわけではないけれど、こういう場面で不安になりやすい」
「あなたが前の人と違うから不安」ではなく、
「私はこういう背景があって、こういう場面で不安になりやすい」という形で伝えると、相手も受け止めやすくなります。
責めずに不安を共有するためのフレーズ例
実際にどのような言葉で伝えればよいか、イメージしやすいように、いくつかフレーズ例を紹介します。
状況や性格に合わせて、使えそうな部分だけ参考にしてみてください。
不安の存在そのものを伝えるとき
- 「前の結婚のことを思い出して、時々不安になることがあるんだ」
- 「あなたといると楽しいけれど、また同じようになったらどうしようと考えてしまう」
- 「自分でも気にしすぎだと思うけれど、過去のことを引きずっている自分がいると感じる」
比較してしまう自分について正直に話したいとき
- 「あなたを前の人と比べたいわけではないんだけど、気持ちがざわつくと、どうしても頭の中で比べてしまうことがある」
- 「比べてしまったあと、自分で自分を責めて、余計につらくなってしまうんだ」
相手にしてほしいことを具体的に伝えるとき
- 「もしできれば、元配偶者の話題が続くときは、少しだけ配慮してもらえると助かる」
- 「不安になっているときは、すぐに解決策を出してほしいわけではなくて、『そう感じているんだな』と聞いてもらえるだけで落ち着きやすい」
- 「過去のことより、今こうして一緒にいる時間を大事にしていると、一言伝えてもらえると安心しやすい」
ポイントは、「あなたはこうして」と命令するのではなく、「こうしてもらえると私は助かる」という形でお願いすることです。
そうすることで、相手にとっても「協力できそうかどうか」を冷静に考えやすくなります。
二人で「過去」との距離感やルールを話し合うポイント
前の結婚がある二人の関係では、元配偶者や子ども、思い出の品との距離感について、ある程度のルールを話し合っておくことが大切です。
これは、どちらか一方の我慢で成り立たせるためではなく、お互いが安心しやすい範囲をすり合わせる作業です。
話し合いのテーマの例としては、次のようなものがあります。
- 元配偶者との連絡の頻度と内容
- 子どもの用事や手続きの連絡は必要だが、それ以外の雑談は控えるかどうか
- 連絡が来たとき、おおまかな内容をパートナーに伝えるかどうか
- 子どもとの面会・行事への参加
- 面会の頻度や場所について、どの程度まで共有するか
- 行事やイベントに元配偶者と同席する場合、事前にどこまで説明するか
- 写真や思い出の品の扱い方
- 目につく場所に置くのか、箱にしまっておくのか
- デジタル写真やアルバムをどう管理するか
これらを話すときのポイントは、次の通りです。
- いきなり「全部捨てて」「全部やめて」と迫らない
- 「私はこういうときに不安になりやすい」という自分の状態を説明したうえで、落としどころを一緒に探す
- お互いのプライバシーも尊重しつつ、「どこからどこまでは共有した方が安心できるか」を相談する
たとえば、次のような話し方が一つの例です。
- 「元配偶者との関係を完全になくしてほしいと言いたいわけではないんだ。ただ、連絡が頻繁だと、不安になる自分がいる」
- 「子どものことが大事なのは分かっているし、そこを応援したい気持ちもある。そのうえで、事前に予定を教えてもらえると、心の準備がしやすい」
このように、相手の立場や過去も尊重しながら、自分の不安と希望を少しずつ言葉にしていくことで、「前の結婚」と「今の関係」の距離感が少しずつ整っていきます。
ルールは一度決めたら終わりではなく、状況の変化に合わせて見直してかまいません。
二人にとってちょうどよいバランスを探りながら、少しずつ調整していけると、過去ではなく「今の関係」を土台にした安心感が育ちやすくなります。
子ども・元配偶者・親など周囲との関係をどう扱うか
バツイチ同士の恋愛は、二人だけの問題では終わりにくいところがあります。
子ども、元配偶者、親や親族、共通の友人など、さまざまな人との関係が重なり合いやすいからです。
それぞれの事情を尊重しながら、今のパートナーとの関係も大切にする。
この両方を成り立たせるためには、「何となく」流されるのではなく、どこまで関わるのか・どこは線を引くのかを少しずつ話し合っておくことが重要になります。
ここでは、周囲との関係を考えるうえでの基本的な視点と、二人で決めておきたいポイントを整理していきます。
子どもがいる場合の配慮と、今の恋愛とのバランス
子どもがいるバツイチ同士の恋愛では、まず何よりも「それぞれの子どもの安心と生活」を最優先に考える必要があります。
そのうえで、今のパートナーとの距離をどう調整していくかを考えていく流れになります。
子どもとの関係で意識しておきたいポイントは、次のようなものです。
- 子どもにとっての生活リズムや習慣を大きく変えすぎない
- 新しいパートナーの存在を急に押しつけない
- 大人の事情を説明しすぎず、年齢に合った情報量にとどめる
たとえば、まだ小学生の子どもに、離婚の細かい理由や新しい恋人との関係を詳しく話しても、かえって不安が増えることがあります。
一方で、何も説明しないまま「突然よく会う大人」が増えると、警戒心が強くなることもあります。
そのため、
- 「まずは友人として紹介する」
- 「会う時間は短めにして、子どもの様子を見ながら頻度を調整する」
- 「子どもが嫌がるサインが出たら、その理由を丁寧に聞いてみる」
といった段階的な関わり方が大切になります。
また、再婚や同居を考える場合は、
- 子どもと二人で過ごす時間も一定は残す
- 進学や転校など、子どものタイミングも一緒に考える
- 子どもが意見を言いやすい場を意識して作る
といった工夫も役立ちます。
今のパートナーと話し合うときには、
「あなたと子ども、どちらが大事か」
という二択にしないことが重要です。
- 「子どもの生活と気持ちを大切にしたい」
- 「そのうえで、あなたとの関係も丁寧に育てたい」
この二つの思いを共有しながら、どういう進め方ならお互いが無理をしすぎずにいられるかを、一緒に検討していくスタンスが現実的です。

元配偶者とのやり取りをめぐる不安とルールづくり
子どもがいる場合や、経済的な取り決めが残っている場合、元配偶者との連絡が完全になくなることは少ないでしょう。
そのとき、今のパートナー側には次のような不安が生まれやすくなります。
- 「まだ元配偶者に気持ちが残っているのではないか」
- 「自分が知らないところで頻繁に連絡を取り合っているのでは」
- 「自分は後回しにされているのでは」
一方で、連絡を取らざるを得ない側にも、次のような事情があります。
- 養育費・学費・進学など、子どもに関わる実務的な連絡が必要
- 役所の手続きや保険・年金など、過去の契約に関する連絡が残っている
- 元配偶者側の生活状況が、子どもの生活に直結している
どちらか一方の感情だけを優先すると、もう一方が強い我慢を続ける形になりやすくなります。
そこで大切になるのが、「二人で共有しておくルール」をあらかじめ話し合っておくことです。
たとえば、次のような項目について、話し合っておくと安心しやすくなります。
- 連絡の頻度
- 月にどのくらい連絡があるのか
- 連絡が多くなる時期(進学・行事など)はいつ頃か
- 連絡の方法
- 電話か、メール・メッセージアプリか
- 深夜や長電話は控えるかどうか
- 報告の範囲
- 子どもの用事に関する内容はどこまで共有するか
- 元配偶者からの相談ごとには、どう対応するか
このときも、いきなり
- 「今すぐ全部やめてほしい」
- 「連絡内容をすべて見せてほしい」
と求めると、お互いにとって負担が大きくなります。
代わりに、
- 「こういう連絡は事前に教えてもらえると安心しやすい」
- 「この時間帯の電話だけは控えてほしい」
といった形で、自分にとって特に不安が強くなるポイントを絞って伝えると、現実的な落としどころが見つかりやすくなります。
親や周囲の目が気になるときの受け止め方と伝え方
バツイチ同士の恋愛では、親や親族、友人からの見方が気になることも少なくありません。
- 「また離婚したらどうするのか」
- 「子どもはどうするつもりなのか」
- 「再婚するのか、籍は入れないのか」
こうした問いかけが、心に重く響くこともあるでしょう。
まず意識しておきたいのは、周囲の意見はあくまで周囲の立場からの考えであり、二人の人生の最終決定権は自分たちにあるということです。
そのうえで、親や周囲と向き合うときのポイントとして、次のような考え方があります。
- 何もかも詳しく説明しようとしない
- 話す範囲と話さない範囲を自分たちで決めておく
- 意見は参考にしつつ、「最終的には二人で決める」と心の中で確認しておく
たとえば、再婚か事実婚かで迷っている場合、親に次のように伝えるやり方があります。
- 「私たちなりに、子どものことや仕事のことも含めて、いろいろ考えているところ」
- 「心配してくれているのは伝わっている。そのうえで、もう少し二人で話し合いながら進めたい」
親が強く反対している場合も、すぐに説得しきろうとすると、関係がこじれやすくなります。
そのときは、
- 「今すぐ分かってほしいとは言わない」
- 「時間をかけて話していきたい」
と、長い時間軸で向き合うスタンスを持つことも一つの方法です。
友人に対しても、話す相手はある程度選んでよい立場です。
- 自分の話を一方的に批判せず、話を聞いてくれる人
- 元配偶者側にも今のパートナー側にも、偏りすぎない見方をしてくれる人
に絞って相談する方が、心の負担は少なくなります。
周囲との関係は、二人だけでは調整しきれないことも多いテーマです。
それでも、自分たちなりの方針を一度言葉にしておくことで、親や友人から何か言われたときの受け止め方が少し安定しやすくなります。
「周囲の期待に合わせるか」「自分たちの希望を貫くか」という二択ではなく、
周囲への配慮も残しながら、自分たちのペースや考え方も守っていける形を、少しずつ探していくことが現実的な落としどころと言えます。
まとめ|過去ではなく「今の二人」の関係を育てていくために
バツイチ同士の恋愛は、どうしても「過去」と付き合いながら進めていく関係になります。
前の結婚生活、元配偶者や子ども、離婚に至るまでの出来事。
それらをなかったことにはできませんし、無理に忘れようとすると、かえって心が苦しくなることもあります。
大切なのは、過去を消すことではなく、過去も含めて「今の二人の関係」をどう育てていくかという視点です。
ここまで整理してきた内容を振り返りながら、最後にあらためて大事にしたい考え方をまとめます。
前の結婚と比べてしまう自分を全否定しない
前の結婚と今の関係を比べてしまうと、
- 「こんなことを考える自分は器が小さいのでは」
- 「せっかく出会えたのに、失礼なのでは」
と、自分を強く責めてしまうことがあります。
しかし、前の結婚生活が長かった人ほど、日常の中に「基準」となる記憶がたくさん残っているのは自然なことです。
ふとした会話や家事の分担、休日の過ごし方で、前の相手との違いが気になるのも、人間としてごく普通の反応と言えます。
比べてしまうのは、今の関係を軽く見ているからではなく、
- 「今度こそ同じ失敗をしたくない」
- 「本当にこの選択で良いのか確かめたい」
という、真剣さの表れでもあります。
もちろん、比較ばかりに意識が向くと、自分も相手も苦しくなっていきます。
ただし最初の一歩としては、
- 「比べてしまう自分はダメだ」と決めつけない
- 「それだけ今回は大事にしたいと思っている」と受け止め直してみる
この二つを意識してみることが大切です。
自分を責める力を少し弱めて、
「ここからどうやって今の関係を整えていくか」
に、意識を移していけるだけでも、心の負担は変わっていきます。
完璧な再スタートではなく「学びながら進む」スタンス
離婚を経験すると、
- 「次こそは完璧な関係にしたい」
- 「今度こそ失敗できない」
という気持ちが強くなりやすくなります。
その反面、少しでも意見が食い違うと
- 「また同じように終わるのでは」
- 「自分にはやはり結婚生活は無理なのでは」
と極端に考えやすくなる面もあります。
しかし、どれだけ年齢を重ねていても、新しい相手との関係は「初めて」のことばかりです。
前の結婚で学んだことを活かせる部分もあれば、前とは全く違うやり方を試した方がうまくいく部分もあります。
そのため、バツイチ同士の恋愛では、
- 完璧な再スタートを求めすぎない
- 話し合いながら、お互いのやりやすい形を探していく
- つまずいたときは「失敗」ではなく「調整のタイミング」ととらえる
といったスタンスが現実的です。
たとえば、
- 前の結婚では我慢しすぎたなら、今回は早めに気持ちを言葉にしてみる
- 逆に、感情的になりすぎていたなら、一度落ち着いてから話す習慣をつくる
など、「同じところでつまずかないための小さな工夫」を少しずつ重ねていくイメージです。
離婚経験があるからこそ、
「どうすればお互いが暮らしやすいか」
「どこで無理をしやすいか」
を冷静に話し合える可能性もあります。
完璧な関係を最初から目指すのではなく、学びながら進める関係を目標にしていくことが、長く続く安心につながりやすくなります。
過去にとらわれ過ぎず、これからの時間に意識を向ける一歩
前の結婚と今の関係を比べて苦しくなってしまうとき、意識の多くが「過去」に向いていることがよくあります。
- 「あのとき、もっとこうしていれば」
- 「前の人の方が○○だったのでは」
- 「また同じようになるかもしれない」
このような考えが浮かんでくるのは自然なことです。
ただ、これらはどれも、もう変えられない出来事や、まだ起きていない未来への不安に集中している状態とも言えます。
そこから少しだけ意識を動かすために、今日からできる小さな行動として、次のようなことがあります。
- 比較しそうになったとき、「今の相手の良いところを一つだけ探してみる」
- 不安が強くなったら、「不安になったきっかけ」をメモに書き出してみる
- 一日の終わりに、「今日の二人の中で少し安心できた場面」を振り返る
これらは大きな変化には見えないかもしれません。
それでも、過去ではなく「今の二人」に意識を向けなおす練習としては、とても意味のある一歩です。
また、パートナーに対しても、
- 「比べてしまってつらくなることがある」
- 「それでも、今あなたと過ごしている時間を大切にしたいと思っている」
といった形で、自分の不安と今の思いを少しずつ言葉にしていけると、二人で歩幅を合わせやすくなります。
バツイチ同士の恋愛は、過去にそれぞれの物語がある分、簡単ではない場面も多くなります。
それでも、過去の経験があるからこそ、
- 相手の事情や傷つきやすさを理解しようとできる
- 自分の限界や大事にしたいことを前よりも言葉にできる
という強みも持っています。
過去と完全に決別するのではなく、
「過去があったからこそ、今この相手と出会えている」
という視点を、少しずつ心の中に育てていくことが、これからの二人の時間を支えてくれるはずです。
今日のところは、比較してしまう自分を責めすぎないことと、
今の相手との関係の中でできる小さな一歩を一つだけ選んでみる。
それだけでも、過去に縛られ続ける関係から、今の二人の関係を育てていく姿勢へと、少しずつ向きを変えていくことができます。


