【相談】「貯金が少ない自分」に引け目を感じて結婚に踏み切れません
「貯金が少ないから結婚に踏み切れない」…その悩み、あなただけではありません
相談者は、30代前半の会社員男性。付き合って3年になる彼女との結婚を意識しつつも、ずっと“ある不安”を抱えています。
「彼女は結婚したがっている。でも自分は…正直、貯金が少なすぎて、胸を張って『結婚しよう』と言えないんです」
日々の生活費で精一杯。奨学金やカードローンの返済もあり、貯金はほとんどゼロに近い状態。
彼女に相談すべきか悩んだこともありますが、**「心配させたくない」「情けないと思われたくない」**という気持ちが先立ち、つい笑ってごまかしてしまう――。
そんな彼のように、「お金の問題＝結婚の障壁」となっている男性は決して少なくありません。
将来を考えるほど「お金の不安」が大きくなる
結婚は、単なる“恋愛の延長”ではなく、生活の現実が伴うステップです。
将来のことを真剣に考えるほど、「この収入で本当に家庭が持てるのか」「相手を幸せにできるのか」と、不安が膨らんでいくのは自然なことです。
特に男性の場合、「経済的に頼られる立場でいなければ」という無意識のプレッシャーを抱えやすく、収入や貯金への自信のなさが“引け目”に変わることも。
「情けない」「迷惑をかけそう」と感じる心理とは
貯金が少ないこと自体が悪いわけではありません。
ですがそれを「知られたくない」と思ってしまう背景には、次のような感情が潜んでいます。
- 「自分はちゃんとしていない」という自己否定
- 「相手にがっかりされるかも」という恐れ
- 「足を引っ張る存在になりたくない」という罪悪感
これらの感情は、真面目で責任感のある人ほど抱きやすいもの。
「好きな人に迷惑をかけたくない」という思いの裏返しなのです。
貯金が少ないことが「自信のなさ」につながる理由
貯金が少ないという事実は、数字で見ればただの状態に過ぎません。
けれども、それが**「自分には価値がないのでは？」「相手に申し訳ない」**というような“自信のなさ”に直結してしまうのはなぜなのでしょうか。
そこには、個人の性格や過去の経験だけでなく、社会的な刷り込みや、他人との比較のしやすさといった背景があります。
結婚＝経済力と考えてしまう社会的プレッシャー
「男が家庭を支えるべき」「稼ぎが少ない男は情けない」――
そんな古い価値観が、今でも根強く残っていると感じたことはありませんか？
現代では共働きが主流になりつつあるとはいえ、「結婚したい」と考える男性の多くが、
“経済的に頼られる立場”でいなければとプレッシャーを抱いています。
とくに親世代からの「ちゃんと貯金はしてるのか？」「一家の大黒柱として…」といった言葉が、
無意識のうちに「貯金＝男の評価」として刷り込まれてしまうことも少なくありません。
「自立できていない」と自分を責めてしまう心の傾向
また、貯金が少ないことで「自立できていない」と感じ、
**「こんなんじゃ結婚なんて考えちゃいけない」「まだまだ未熟だ」**と、自分を責めてしまうケースも多いです。
この“内なる否定感”は、まじめで責任感の強い人ほど陥りがちです。
誰かのせいにせず、「自分の努力が足りない」と思うからこそ、
**「彼女に申し訳ない」「ちゃんとした男になりたい」**という思いが、自分をますます追い込んでいきます。
比較が強まる今の時代、収入・貯金への不安は共通課題
さらに、SNSやYouTube、インフルエンサーの情報発信などで、
他人の生活レベルが見えやすくなっている現代。
「同い年なのに、あの人は結婚してマイホームも買ってる」
「貯金1000万円達成しました、って…自分は何やってるんだろう」
――そんな比較が、自分の価値を否定する材料になってしまうことも。
でも本当は、貯金の額だけで人生の成功や幸せは決まりません。
“何にどれだけ不安を感じているのか”を明確にすることで、
自信のなさ＝貯金のせい、と短絡的に結びつけてしまう思考から抜け出すことができるはずです。
【確認ポイント】「貯金が少ない＝結婚できない」とは限らない
「貯金が少ない」ことは、たしかに不安材料になります。
しかしそれが**「結婚すべきではない」という結論に直結するかどうか**は、状況によって変わります。
ここでは、立ち止まって考えるための【3つの確認ポイント】を紹介します。
大切なのは、数字に縛られるのではなく、「どう乗り越えられるか」を考える視点を持つことです。
① 今ある不安は“解消できる問題”か“前提を変える問題”か
まず確認したいのは、今抱えている「貯金が少ない」という不安が、
努力で解決できる“課題”なのか、それとも考え方や仕組みを変えるべき“前提”なのかという点です。
- ✔「副業を始めれば月3万円貯金できる」→解消できる課題
- ✔「返済のメドが立っている」→時間の問題でクリア可能
- ✘「そもそも自分が家計を全て担う前提」→考え方を見直す必要あり
「お金が足りない＝無理」ではなく、
どの部分を“変えれば前に進めるのか”を整理するだけでも視界が開けます。
②「2人で補い合える」関係性かを見極める視点
「自分の貯金が少ないから…」と、すべてを一人で背負おうとしていませんか？
結婚は**“一人で完結させるもの”ではなく、“2人で築いていくもの”**です。
- 相手はお金の価値観を共有しようとしてくれているか
- お互いの得意・不得意を補える関係になっているか
- 一時的な収入の差に対してどう向き合ってくれるか
こうした観点から、「2人で生きていける関係性か」を見極めることが本質的な確認ポイントになります。
③ 「お金」よりも大事な「将来への向き合い方」
結婚においてお金が大事なのは確かです。
でもそれ以上に問われるのは、2人で未来にどう向き合えるかという“姿勢”です。
- 「将来どんな生活を送りたいか」を話し合えているか
- 「今は少ないけど、こうしていきたい」と共有できるか
- 「お金のことをオープンに話せる関係」が築けているか
これらができているなら、貯金額は“出発点の一要素”でしかありません。
逆に、十分な貯金があっても、向き合い方がズレていれば将来的な不安は残るのです。
【整理ワーク】“引け目の正体”を言葉にする3つの問い
「結婚したい。でも貯金が少ない自分に引け目を感じて前に進めない」
――そんな悩みを抱えているとき、もっとも大切なのは、
“自分が感じている引け目の正体”を明確にしてみることです。
この章では、自分自身の気持ちを丁寧に見つめ直すための【3つの問い】を紹介します。
答えは紙に書き出してもOK。
頭の中だけで考えるよりも「言語化」することで、不安の輪郭がはっきりし、気持ちが整理されやすくなります。
① 「自分に何が足りない」と思っているのか？
まず最初に問いかけたいのは、
**「自分は何に対して引け目を感じているのか？」**という根本的な部分です。
- 「貯金がないから、相手に頼られる立場じゃない」
- 「将来設計を描けるほどの安定がない」
- 「彼女の両親に胸を張れない」
- 「ちゃんと“男”として見られているのか不安」
このように、引け目には**「お金」だけではなく、“自分の存在価値”に関わる感情**が含まれていることが多いです。
それを明確にしておくことで、「本当に足りないのは金額なのか？」という冷静な視点が持てるようになります。
② それはパートナーに言えない？言っていない？
引け目や不安を**「パートナーに話せていない」こと自体が、より大きな不安を生む原因**になっているケースは多くあります。
- 「情けなく思われたくない」
- 「心配させたくない」
- 「黙っていた方が楽」
――そんな思いから“自分の弱さ”をひとりで抱えてしまうと、
「自分だけが取り残されている」という孤独感がどんどん強まります。
でも逆に、勇気を出して話してみたことでパートナーとの信頼が深まったという人もたくさんいます。
言えない理由が「本当に相手のため」なのか、それとも「自分を守るため」なのかを問い直すことも大切です。
③ 「理想の自分像」が苦しさを生んでいないか？
最後の問いは、
**「あなたが思い描いている“理想の結婚相手像”が、自分を苦しめていないか？」**という視点です。
- 「これくらい貯金があって当然」
- 「結婚前に家を買えるくらいじゃないと」
- 「彼女に不自由な思いはさせたくない」
――そうした理想は立派な目標かもしれません。
でも、それが**「今の自分を全否定する原因」になっているなら、一度緩めてみてもいいのです。**
理想は“方向性”として持ちつつも、
**「今の自分がどう努力しているか」「一緒にどう進んでいけるか」**の方が、現実的で前向きな視点になります。
実例｜「貯金が少ない」ことに悩んでいた男性たちの声
「貯金が少ない」という理由で結婚に踏み出せずにいた――
そんな男性は少なくありません。けれど、その不安と正直に向き合い、一歩ずつ進んだ人たちもたくさんいます。
ここでは、実際に寄せられたエピソードから3つのケースを紹介します。
どの人も、「お金の問題＝すぐに解決すべき障害」ではなく、“パートナーとの関係性の中でどう乗り越えるか”に気づいた人たちです。
「正直に話したら、彼女の反応は意外だった」
「彼女と真剣に結婚を考えるようになった頃、貯金がほぼないことがずっと引っかかっていて。でもある日、意を決して『実は…』と話したら、彼女は“そうなんだね、ありがとう”と。責めるどころか、“話してくれて嬉しい”って言ってくれて…正直、涙が出そうになりました」
（34歳／営業職）
「お金の話をすると嫌われるかも」「幻滅されるかも」と思い込んで、ずっと言えずにいた。
でも彼が伝えたのは、“誠実さ”であり“信頼”。
隠していること自体が不安の原因だったと、後から気づいたそうです。
「足りないことより“どう補うか”を話せた」
「彼女は公務員で収入も安定していたので、比べてしまう自分がいました。でも、正直に『貯金がないんだよね』と話したら、“それなら一緒に計画立てよう”って言ってくれたんです」
（31歳／フリーランス）
“お金があること”よりも、“お金の話ができること”が大切だと気づいたという彼。
「補い合える関係ってこういうことか」と思えたことで、引け目が“共同の課題”に変わったと語っています。
「焦らず計画を立てよう」と決めて前に進んだケース
「結婚＝すぐに式を挙げること、って思ってたんですよね。でも彼女と話してみたら、“2年後に結婚式でもいいよ”って言ってくれて。そこからは『じゃあ、どうやって貯める？』って2人で家計シートまで作りました（笑）」
（29歳／メーカー勤務）
貯金が少ない現実は変わらなくても、「今すぐじゃなくていい」という選択肢を共有することで、心に余裕が生まれたそうです。
“いつ結婚するか”よりも、“どう準備していくか”に目を向けられるようになったことが、未来への不安を減らしました。
「お金に自信がない」ままでも築ける結婚のかたち
「貯金がない自分に、自信が持てない」
「こんな状態で結婚していいのか…」
そんな悩みを抱える男性は、決して少数派ではありません。
でも実は、“完璧じゃない今の自分”をそのまま受け入れることで、見えてくる安心感や新しい関係のかたちもあるのです。
「完璧じゃない自分」を認めることで生まれる安心感
「貯金がもっとあれば…」
「今より収入があれば…」
そんな“理想の自分像”にとらわれすぎて、今の自分を否定し続けると、心はどんどん苦しくなります。
でも本当は、「現時点の自分をどう受け止め、どう歩いていくか」が人生にとって大切な視点。
完璧じゃなくてもいい。
大切なのは、「不安を乗り越える力が自分にはある」と信じられること。
そして、その姿勢は必ずパートナーにも伝わります。
「不安を共有できる関係性」こそ長く続く土台
実際に長く続いている夫婦の多くが口を揃えて言うのは、
「大事なのは“お金”そのものではなく、“お金の話”ができるかどうか」だということ。
貯金の多寡や収入の高さよりも、「お金に関する不安も率直に話せる関係」こそが、長期的な信頼関係の土台になるのです。
不安を隠すことは、信頼の断絶につながります。
逆に、弱さを共有することで、2人の絆はより強くなる――
それは多くの夫婦が証言する「リアルな結婚生活の真実」です。
「貯金があるから結婚できる」わけではない現実
世の中には、「それなりに貯金はあったけど、うまくいかなかった」夫婦もいれば、
「貯金はなかったけど、力を合わせて乗り越えた」夫婦もいます。
つまり――貯金＝結婚の可否を決める絶対的な条件ではないということ。
もちろん、お金の問題を軽視していいわけではありません。
でも、それ以上に大切なのは、
「この人となら、一緒に乗り越えていける」と感じられる関係性を育てているかどうか。
不安があるなら、それを一人で抱え込まず、“2人の課題”として扱っていける勇気を持つことが、未来の安心につながります。
まとめ｜大切なのは「金額」より「向き合う姿勢」
「貯金が少ない」――
この事実に、後ろめたさや不安を感じてしまうのは、まじめで責任感が強いあなただからこそです。
でも、ここまで読み進めてきた今、
「それでも前を向いて、結婚について考えたい」
そんな気持ちが少しでも芽生えていたら、それは立派な一歩です。
「少ない貯金」＝価値がない、ではない
まず大切なのは、「お金の少なさ」と「人としての価値」はまったく別物だということ。
あなたの魅力や努力、思いやりの心までが、預金残高で測られるわけではありません。
結婚生活は“資産の多さ”だけで成り立つものではなく、
互いを思いやる気持ちや、協力し合う姿勢の方がずっと重要です。
今の自分から、どう“2人の未来”を描けるか
大切なのは、**「今の自分が、どんな未来を一緒に描いていけるか」**という視点。
完璧ではないことを認め、
足りない部分をどう補い合っていくのか。
その道を“2人で”考えていける関係なら、
たとえ今は不安があっても、少しずつ前に進めるはずです。
「引け目」ではなく「対話のきっかけ」に変えよう
そして何よりも、**「お金のことを話すのは恥ずかしい」ではなく、「ちゃんと話したい」**と思える自分であることを、どうか誇りに思ってください。
金銭面の不安を“引け目”と捉えるのではなく、
「この先どう暮らしていきたいか？」を共有するための“対話のきっかけ”に変えていくことができるのです。
不安があるからこそ、丁寧に考える。
その姿勢が、あなた自身と、これからの2人の人生にとって、一番の財産になります。
「貯金がないから結婚できない」と思い詰めず、
「今の自分だからこそ、見える未来がある」と、前を向いてみてください。
コメント