【相談】彼のことは好き。でもこの不安のまま結婚していいの?
「彼のことは好き」なのに、不安になるのはなぜ?
「彼のことは大切に思ってるし、嫌いになったわけじゃないんです。
でも、“このまま結婚して大丈夫かな”っていう不安が、どうしても頭から離れないんです。」
こう語るのは、交際歴3年・婚約中の28歳女性(仮名・里菜さん)。
優しくて誠実、浮気の心配もなく、家族や友人からも「理想の相手だね」と言われてきた相手との結婚を控えています。
でも、結婚準備が本格化するにつれて、胸の奥に“言葉にしづらいモヤモヤ”が生まれ始めたといいます。
気持ちがあるのにモヤモヤするのは変?
「好きなはずなのに、なぜ不安になるの?」
「気持ちがあるなら、迷わないのが普通じゃないの?」
そんなふうに感じて、自分を責めてしまっている人も少なくないのではないでしょうか。
でも、実はこれはとてもよくある感情です。
- 付き合っていた頃には感じなかった重さを感じる
- 「この人と一生」と考えたとき、漠然とした不安がよぎる
- 本当にこの人でよかったのか、急にわからなくなる
これらの感情は、恋愛から結婚という「現実」に気持ちがシフトしていく中で起きる、自然な心理的反応なのです。
よくある“好き+不安”の心理状態とは
恋愛は「好き」という感情が中心になりますが、結婚は「生活」「責任」「将来」といった現実的な要素が重なってきます。
このときに起こるのが、“感情と現実のギャップ”からくる不安です。
たとえば…
- 生活リズムや金銭感覚、子どもに対する考え方など、「好き」だけではカバーできない違いに気づく
- 相手に対する期待と、実際の言動とのズレにモヤモヤする
- 「一緒にいて安心できる」はずなのに、「なぜか将来が見えない」と感じてしまう
こうした状態では、心の中で「この人が好き」と「でも不安」が同時に存在します。
どちらも本音であり、どちらも否定しなくていい感情です。
不安を感じる=結婚不適合、ではない理由
「こんなに迷うなら、結婚するべきじゃない?」
「不安があるってことは、相性が悪いってこと?」
と短絡的に考えてしまう方もいますが、それは早すぎる結論かもしれません。
不安があるのは、「考えようとしている」からこそ。
むしろ、本当に危ういのは──
- 不安を感じていないふりをする
- 決断を“流れ”に任せてしまう
- 自分の心の声を無視する
という状態です。
大切なのは、「なぜ不安なのか」を整理すること。
そのプロセスを経てこそ、“納得して進む”ことができるようになります。
その不安は「相手」ではなく「関係性」にあるかもしれない
「彼のことは人として好き」「悪いところがあるわけじゃない」──それなのに、なぜか将来に不安を感じてしまう。
その“違和感”の正体は、**彼という人物の問題ではなく、二人のあいだに築かれてきた“関係性のバランス”**にあることがあります。
相手の性格や価値観ではなく“距離感”が原因なことも
「うまくいっているはずなのに、なぜ不安?」と感じるとき、まず考えたくなるのは「相手の性格や価値観が原因では?」という視点です。
でも実は、そこではなく、“関係の近さや向き合い方”に目を向けてみると、本当の理由が見えてくることがあります。
たとえば──
- ちょっとした違和感を伝えようとすると、冗談で返されて終わる
- すれ違いが起きても、深く話し合うことなく自然消滅させている
- お互いに「問題を起こしたくない」と思って、あえて距離を取っている
これらはすべて、“関係性の距離”が適切でない状態を示すサインです。
相手に問題があるというよりも、「この距離感で、このまま一生をともにできるか?」という不安が、あなたの中で静かに膨らんでいるのかもしれません。
「本音を言えない関係」になっていないか?
どれだけ仲が良くても、「本音を言えない」関係には不安が生まれます。
- 本当は気になっていることがあるのに、言いづらい
- 「話してもどうせわかってもらえない」と諦めてしまう
- 相手に気を遣いすぎて、自分の気持ちを飲み込んでしまう
これらが積み重なると、「一緒にいるのに孤独」「安心感がない」という感覚に変わっていきます。
恋愛中は「好きだから言わなくても通じる」と思えていたことも、結婚という生活になると、通じないまま“すれ違い”になることも多いのです。
📝不安の根っこに「自分の気持ちを出せない関係性」があると、
それは時間と共に「私、このままでいいのかな?」という迷いに変わっていきます。
「察してほしい」「言えない」の積み重ねが不安になる
結婚前のカップルにとって、「話さずに察してもらう関係」はいちばん危ういバランスです。
- 自分は我慢しているけど、相手は気づいていない
- 相手に期待していたけど、何も変わらなかった
- 「このくらい普通わかるでしょ」と思ってしまう
こういったすれ違いが起きると、「彼に対する不満」ではなく、「この関係で本当に大丈夫?」という不安に変化します。
“察してほしい”と“言えなかった”が重なると、関係の中に“信頼できなさ”のような空気が生まれてしまうのです。
もちろん、なんでもかんでも言葉にすることが正解ではありません。
でも、「伝えた方がいいことまで我慢している状態」は、無意識の不安を育ててしまう原因になります。
よくある「不安を抱えたまま結婚」した人の声
「彼のことは好きだったし、別れる理由なんてなかった」
──それでも、結婚後に「やっぱり違った」と感じる人は少なくありません。
この章では、「不安はあったけど進んでしまった」先に、何が待っていたのか。
実際の体験を通じて、不安と向き合うことの大切さを考えてみましょう。
結婚後に「やっぱり…」となったケース
由紀さん(31歳・メーカー勤務)
交際4年で結婚。「大きな不満はないけど、何か引っかかる」という感覚がずっとあったそうです。
「一緒にいる時間は楽しかったし、親にも“いい人ね”と言われていて。
“たぶん不安は気のせい”と流して、そのまま結婚しました。
でも生活が始まってすぐ、“あの違和感ってこれだったんだ”って気づいたんです。」
それは、「価値観のすり合わせができない相手」との生活でした。
話し合いがかみ合わない、遠慮して言いたいことが言えない──
「結婚したからこそ、ごまかせなくなった」と振り返ります。
「好きな気持ちがあったぶん、別れるときは本当に辛かったです。
でも今は、“違和感を無視したこと”にいちばん後悔しています。」
「好きだから大丈夫」が通用しなかった話
美咲さん(29歳・保育士)
「彼のことを心から信頼してたし、“好きだから何とかなる”と思っていた」と語る美咲さん。
でも、結婚後の“生活感のズレ”が徐々にストレスになっていったといいます。
「掃除や家事の感覚、お金の管理、子どもへの考え方…
どれも正反対すぎて、“好き”では乗り越えられない部分が多すぎました。」
結婚前はあえて見て見ぬふりをしていたけれど、“好き”という気持ちで押し切ったことが、かえって関係を苦しめたと振り返ります。
「“愛があれば大丈夫”って、確かにロマンチックだけど、
現実はそれだけじゃ足りない。
もっと早く、価値観について向き合っておくべきだったと痛感しています。」
「不安の理由を知らずに進んでしまった」後悔
沙織さん(34歳・営業職)
結婚式の準備期間に、漠然とした不安を何度も感じたという沙織さん。
「“このままでいいのかな?”という感覚が、ふとしたときに湧き上がってきて…。
でも“ただのマリッジブルーだよね”って自分に言い聞かせてました。」
結果としてそのまま結婚に踏み切りましたが、半年後には「一緒にいるのが苦しい」と感じるようになったといいます。
「振り返ってみると、“話し合う時間”が決定的に足りてなかったんです。
不安の理由が言語化できないまま進んだから、後から“これだったのか”と後悔することになってしまった。」
🔍 3人のケースに共通するポイント
- 「大きな問題はない」けれど違和感があった
- 好きという気持ちに頼りすぎて、現実的な確認を後回しにした
- 不安の“正体”に向き合わないまま進んでしまった
どのケースも、「好きなのに不安」と感じることを否定していなければ、違う未来があったかもしれない──
そんな“示唆”を与えてくれます。
【整理ワーク】“この不安”を具体的に言葉にする3つの問い
「なんとなくモヤモヤする」
「説明はできないけど、胸の奥がザワつく」
──そんな状態のままでは、進むも立ち止まるも判断しづらくなってしまいます。
だからこそ、いま必要なのは、**“不安を言葉にすること”**です。
ここでは、誰でもすぐに取り組める【3つの整理ワーク】をご紹介します。
紙でもスマホのメモでもOK。自分と静かに向き合う時間を5分だけでも取ってみましょう。
① どんなときに不安が顔を出す?
まず最初に、自分が「不安になる瞬間」や「その引き金」を思い出してみてください。
✅ どんな会話のとき?
✅ どんな場面で?
✅ どんな言葉や態度に反応した?
📝 書き出しの例
- 「将来の話を避けられたとき、胸がザワザワした」
- 「彼の友人との関係を見ていて、“合わないかも”と思った」
- 「ふと、“この人とずっと一緒にいられるかな”と考えて不安になった」
不安の“きっかけ”を見つけることで、その感情がどこから生まれているのか、少しずつ輪郭が見えてきます。
② それは「彼とのこと」?「自分のこと」?
次に、その不安が「相手に対するもの」なのか、それとも「自分の内面から来ているもの」なのかを整理してみましょう。
💡 これは原因を外側と内側に分けてみるワークです。
📝 思考整理の例
- 「彼の仕事に対する温度感に違和感 → 相手側の問題」
- 「私自身が“結婚=自由がなくなる”と感じている → 自分の内面」
- 「親の期待がプレッシャーになっている → 外部からの影響」
多くの人が、「彼が原因」と思っていた不安が、実は**“自分の価値観や過去の経験”に根ざしていた**ことに気づきます。
この問いは、「誰が悪いか」を決めるものではありません。
あくまで、自分の気持ちの“出どころ”を知るための視点です。
③ その不安は“話し合えば乗り越えられそう”?
最後に、不安の正体をある程度つかめたら、「この不安は解消できそうか?」を考えてみましょう。
✅ 相手に伝えることで改善できそう?
✅ すり合わせや歩み寄りが可能?
✅ それとも“本質的なズレ”がありそう?
📝 判断のヒント
- 「休日の過ごし方の違い → お互い話せばすり合わせできそう」
- 「子どもを持つかどうかの価値観の違い → 根本的に難しそう」
- 「私ばかり気を遣っている感覚 → 話し合いで改善されるか未知数」
この問いの目的は、「すぐに結論を出すこと」ではありません。
「自分の中にある不安が、どういう性質のものか」を判断し、次に何をすればいいかを明確にするためのものです。
💬 3つの問いで“不安の輪郭”が見えてくる
問い | 意図 |
---|---|
① どんなときに不安が強くなる? | 感情の“引き金”を特定する |
② それは誰の問題? | 感情の“出どころ”を明確にする |
③ 話し合えば変わる? | 解消可能性を見極める |
これらの問いを通じて、「不安は漠然とした敵ではなく、“見つめれば形があるもの”」だと実感できるはずです。
「好きだから」だけでは進めないとき、どうすればいい?
「彼のことは好き。でも、このまま結婚して本当に大丈夫なの?」
そう思ったとき、「好きなのに迷う自分」を責めてしまう人は多くいます。
けれど現実には、“好き”という気持ちだけで進めないときがあるのもまた事実。
「気持ち」と「現実」がかみ合わないときの整理の仕方と、そこからできる行動をお伝えします。
気持ちと現実は“別軸”で整理する
まず最初にしておきたいのは、「気持ち」と「現実」をいったん切り分けて考えることです。
✅ 「好き」は感情の軸
✅ 「結婚生活」は現実の軸
この2つを混ぜたままにしてしまうと、「気持ちがあるのに迷う私はおかしい」「好きじゃないのかもしれない」と、自分を混乱させてしまいます。
📝 具体的な整理のしかた(例)
- 「彼のことは信頼してる」→ 感情の軸(◎)
- 「でも、家事や将来の働き方の話ができない」→ 現実の軸(△)
- 「子どもの話になるといつも話題をそらされる」→ 不安の根拠(△)
このように、「好き」は「生活していけるか」とは別問題。
まずは“混ざっている感情”を、静かに棚卸しするところから始めてみてください。
相手と対話することで「愛情のかたち」が見える
次に必要なのは、「一人で抱えないこと」です。
結婚は二人でするもの。
だからこそ、不安や迷いは、相手と共有してはじめて“共有できる課題”になります。
- 「話したら気まずくなるかも…」
- 「嫌われたらどうしよう…」
そう感じて言えずにいる人も多いですが、「大切だからこそ伝えたい」というスタンスで話せば、相手も真剣に受け止めてくれるはずです。
💬 対話の切り出し例
「最近、将来のことを考えると不安になることがあって…
私にとっては大切な話だから、ちゃんと話してみたいなって思ってる。」
このように、感情をぶつけるのではなく、自分の気持ちを説明する形で話すことで、相手の反応も変わってきます。
話し合うことで、
- 相手も実は不安だったことに気づけた
- すれ違っていた価値観をすり合わせる機会になった
- 互いの“愛情の形”がはっきり見えた
というケースも多くあります。
それでも不安が消えないときの“選び直し”のすすめ
対話しても、整理しても、それでも不安が残ることはあります。
それは「あなたが間違っている」のではなく、“合わない部分”が明確になってきたというサインかもしれません。
✅ 無理に前に進むことだけが“正解”ではありません。
- 結婚をいったん保留にする
- 同棲からスタートしてみる
- 別々の時間を持って距離を置く
- 思いきって白紙に戻す
どの選択も、“逃げ”ではなく“自分の人生を守るための再選択”です。
💡「選び直すこと」は、“愛がなかった証拠”ではなく、
“ちゃんと愛そうとした結果”なのかもしれません。
あなたが大切にしたいもの、自分らしくいられる場所を守ること。
それこそが、未来の自分にとっての最大の優しさになるのです。
「好きだけど迷う」あなたに伝えたいこと
「彼のことは好き。でもこの不安は何?」
「結婚したい気持ちはあるのに、なぜこんなに迷うんだろう?」
──そんなふうに思いながら、この記事を読んでくださっているあなたに、いま伝えたいことがあります。
「不安があること」は弱さではない
まず、声を大にしてお伝えしたいのは、不安を感じることは“弱さ”ではないということです。
むしろ、不安になるのは、本気で人生を大切にしたいと思っているからこそ。
将来に真剣だからこそ、「本当にこれでいいのか」「この選択で幸せになれるか」と考えるのは当然の反応です。
✅ 迷う人は、ちゃんと自分の人生を“生きようとしている人”です。
一方で、「不安があるなんて自分は間違ってるのでは?」「気持ちが足りないのかな」と責めてしまう人も多くいます。
でも、不安そのものは“悪いもの”ではなく、あなたを守ろうとする心からのサインなのです。
「本気で考えてるからこそ迷う」こともある
「迷わず進める人=うまくいく人」と思われがちですが、実際はその逆のこともあります。
- 結婚を決めてから不安が押し寄せてきた
- 「この人しかいない」と思っていたのに、急に違和感が出てきた
- 周りがどんどん結婚していく中で、自分だけ立ち止まっている気がする
そんな迷いに包まれるときほど、あなたが本気で「この先の人生」を考えている証拠です。
💬「迷ってしまう私はダメなんだ」ではなく、
💬「ちゃんと向き合っているからこそ、簡単に決められない」──そう捉えてください。
迷いは、あなたが自分を大切にしていることの“あかし”でもあるのです。
「自分の人生をどう生きたいか」がいちばん大切
最後に大切にしてほしいのは、「この結婚が正解かどうか」ではなく、
**「自分はどんな人生を送りたいのか」**という視点です。
- 誰と、どんな関係を築きたいのか
- 日常をどんなふうに過ごしたいのか
- 自分が心から安心できる時間とは何か
結婚はゴールではありません。
むしろ、「これからの人生をどう生きたいか」の土台となる選択です。
だからこそ、“自分がどう在りたいか”を中心に置いて考えていいのです。
✅ 「誰かにとっての正解」より、「自分にとっての納得」を。
✅ 「うまくいくはず」より、「一緒に育てていける関係」を。
あなたの人生の主人公は、あなた自身です。
だからこそ、その一歩をどう踏み出すかは、自分の気持ちに正直であっていいのです。
まとめ|“彼が好き”と“この不安”をどう扱うかが未来を変える
「彼のことは好き。でも、このままで本当にいいの?」──
そう悩みながら、ここまで読み進めてくださったあなたに、最後に大切なことをお伝えしたいと思います。
「好きだけど不安」は逃げじゃない
私たちは時に、「好きなのに迷う=気持ちが足りない」と思い込んでしまいがちです。
でも、それは違います。
✅ 「好きなのに不安」になるのは、“逃げ”ではありません。
✅ それは「この関係を本気で大切にしたい」からこそ出てくる感情です。
むしろ何も考えずに突き進むよりも、迷いながらも立ち止まり、
「本当にこの道でいいのか」と自分に問い直す姿勢こそが、愛情の深さの表れだと言えるのではないでしょうか。
「立ち止まる勇気」があなたの納得感を生む
焦って決めてしまうことも、流れに身を任せてしまうことも、結婚においてはよくある選択です。
でも、いちど立ち止まることには大きな意味があります。
- 不安の正体と向き合う時間
- 自分の本音を見つける時間
- 相手との対話を深める時間
これらはすべて、「自分で決めた」と思えるためのプロセスです。
納得感をもって進むことができれば、たとえ困難があっても、「この選択でよかった」と思える強さになります。
💬「立ち止まること」は、遠回りに見えて、いちばんの近道かもしれません。
一番大切なのは“自分の気持ちを否定しない”こと
結婚のタイミングに迷ったとき、いちばん大切なのは、自分の気持ちを「なかったこと」にしないことです。
- 「こんなことで悩むなんて自分が悪い」
- 「みんな迷わず決めてるのに、自分だけ…」
- 「私のわがままなのかも」と思ってしまう
でもその感情は、あなたが「大切な選択を誤りたくない」と思っているからこそ生まれている、尊重すべきサインです。
✅ 不安も迷いも、あなたを守る“感情のセンサー”です。
✅ 自分の声を無視しないであげてください。
最終的にどうするかは、あなたが決めていい。
大切なのは、**“自分にとって納得のいく選択”**をすること。
そのために、不安を感じる自分を否定しないことが、いちばんの土台になります。
結婚は、人生を誰かと歩んでいくという決断。
だからこそ、迷っても、揺れてもいいんです。
そして、あなたがその迷いと向き合った時間は、
きっとこれからの人生のどこかで、「あのとき考えてよかった」と思える日につながっていきます。
どうか今日の自分の気持ちに、やさしく正直でいてください。
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