【相談】将来が見えなくて不安です。結婚を延期したいけど言えない
【相談者の声】「結婚を延期したい」と思っているけど、言い出せません
相談者:29歳・会社員の女性。1年付き合った彼と結婚が決まり、式場予約や両家への挨拶もすませたものの、最近「このまま進めていいのか…」という不安がじわじわ大きくなってきた。「結婚をやめたいわけではないけれど、一度立ち止まって考え直したい」という気持ちを抱えているが、それを彼に伝える勇気が持てずにいる。
彼は前向きだけど、私は「この先の不安」でいっぱい
彼は「一緒に頑張ろう」と張り切っていて、結婚後の住まいや新婚旅行の話も具体的に進めてくれている。そんな彼を見るたびに「私は幸せなはず」と思い込もうとするのですが、なぜか心がついていきません。
ふとした瞬間に、「本当にこのまま進んでいいのかな?」「将来、私は笑っていられるのかな?」と不安になることが増えました。
「一度決めたこと」を変えるのが怖い
両家の顔合わせも終わり、式場やドレスの仮予約も済んでいる。「今さら延期したいなんて言ったら…」「彼や家族を困らせてしまうかも」と思うと、言い出せません。
一度決めたことを自分から止めるのは、わがままで無責任なことなんじゃないかと、自分を責めてしまいます。
「勝手かも」「わがままかも」と自分を責めてしまう
彼のことが嫌いなわけではありません。むしろ優しくて真面目で、周囲からも「いい人」と評判です。でも、そんな彼に対して「延期したい」なんて言ったら、裏切るような気がしてしまいます。
「こんなことで迷っている私の方が悪いのかもしれない」「考えすぎなだけかな」——そう自分を押さえつける毎日です。
なぜ「結婚を延期したい」と感じてしまうのか?
「結婚をやめたいわけじゃないのに、なぜか不安」「彼のことは好きなのに、なぜ迷いが出てくるの?」——そんな風に、理由がはっきりしないまま悩んでいる人は少なくありません。
ここでは、その“もやもや”の正体を探るために、結婚前に感じやすい3つの心理的背景を解き明かしていきます。
「好き」だけでは埋まらない将来への不透明感
恋愛と結婚は、似ているようでまったく別のものです。付き合っているうちは楽しい時間を共有できればよかったけれど、結婚となると「生活を一緒に築く」という現実がのしかかってきます。
・金銭感覚
・働き方や家事分担
・将来の子どもについての考え方 など
話し合わなければいけないことが一気に増える中で、「本当にやっていけるのかな?」という不安は、ごく自然なもの。
「好きだから大丈夫」と思いたくても、ふとしたときに“未来の輪郭”がぼんやりしていることに気づき、足がすくんでしまうのです。
「本当にこの人とずっと一緒にやっていける?」という問い
結婚とは、よくも悪くも「日常の積み重ね」。どんなに性格が合っていても、価値観や生活のペースにズレがあれば、そこに違和感が生まれます。
例えば:
- 話し合いになると、いつもどちらかが我慢して終わる
- 自分の意見を言いづらい雰囲気がある
- 一緒にいてもどこか「無理をしている」と感じる瞬間がある
そんな「ほんの小さなズレ」こそ、長い結婚生活では無視できない大きな問題に育ってしまうことも。
「この先何十年も一緒に生きていく」という視点で考えるとき、無意識にブレーキをかけている自分がいることに、ふと気づくのです。
「ときどき感じる違和感」が頭から離れない
明確な理由があるわけじゃないけれど、「あれ?」と感じる瞬間がある。そうした“違和感”は、心の深いところからのサインかもしれません。
たとえば:
- 一緒にいてもどこか気を遣っている
- 自分らしさを出せない
- 将来についての会話を避けたくなる
それが日常の中で少しずつ積み重なっていくと、「このまま進んで大丈夫?」という漠然とした不安に変わっていきます。
違和感を言葉にできないからこそ、「自分が悪いのかも」と悩んでしまいがちですが、それは決して弱さではありません。むしろ、人生をちゃんと見つめようとしている証でもあるのです。
「延期したいけど言えない」心理の裏にあるもの
「結婚を延期したい」という気持ちは確かにあるのに、それを彼に伝えることができない──。
そう悩む人の多くは、“自分の中の優しさ”や“責任感”がブレーキになってしまっています。
その背景にある心理をひも解いてみると、自分を責めるべきものではないということが見えてくるはずです。
「期待を裏切る」ことへの強いプレッシャー
結婚は自分たち二人だけの問題ではありません。両親や親戚、職場の人、友人たちなど、たくさんの人の期待が自然と集まってきます。
- 「あんなに喜んでくれた親に、なんて言えばいい?」
- 「職場にも報告済みなのに、どうなるんだろう…」
そんな気持ちが先立ち、「延期したいなんて言ったら、裏切りになってしまうのでは?」というプレッシャーがのしかかってきます。
でも、これは本来“裏切り”ではありません。期待に応えたいという気持ちが強いからこそ、葛藤が生まれているのです。
「傷つけたくない」という気持ちが自分を縛る
彼に「結婚を延期したい」と言うことは、相手を不安にさせたり、ショックを与えたりするかもしれない──。
そんな“相手への思いやり”が、かえって自分自身を追い込んでしまっていることがあります。
- 「私のせいで彼を苦しませたくない」
- 「今さら不安になってるなんて言ったら、彼を傷つけるだけ」
そう思うあまり、言葉にすることをためらってしまうのです。
けれど、本当の意味で相手を大切にするとは、“誠実に自分の気持ちと向き合うこと”でもあります。
結果的に結婚を続けるにせよ、延期するにせよ、「正直な気持ちを伝えること」は、お互いにとって前向きなプロセスになるはずです。
「断られるかも」と思うと、ますます言い出せなくなる
中には、「延期したいと言って、もし彼に拒否されたらどうしよう」と不安を感じている人もいるでしょう。
- 「面倒だと思われたらどうしよう」
- 「気持ちが冷めてると思われたら終わりかも」
そんな思いがよぎると、ますます口に出せなくなってしまいます。
でも本当に大切なのは、“延期したい理由”をきちんと伝えること。
「あなたとの結婚を考えていないわけじゃない。ただ、不安を抱えたまま進むのが怖い」と話せば、誠実な思いはきっと伝わるはずです。
話し合いの結果がどうなったとしても、「自分の気持ちを無視して進むよりは、よかった」と思える日が来るかもしれません。
“将来が見えない”という不安は自然なこと
「この人と本当にやっていけるのかな…」
「なんだか未来がぼんやりしていて、怖くなる」
そんなふうに感じる自分を「弱い」と責めてしまう人は少なくありません。
でも、将来が見えないことを不安に思うのは、ごく自然な感情です。
むしろ、その不安と向き合おうとしているからこそ、あなたは真剣に人生を考えている証なのです。
結婚=ゴールではなく、人生の長い旅のスタート
よく「結婚は人生のゴールイン」と言われますが、実際にはそこからが本当のスタート。
- 家族としての日常
- 価値観の違いに向き合う日々
- 将来のライフプランやお金のこと
ひとつ屋根の下で暮らし、人生を共にしていくというのは、予想以上に多くの選択や葛藤が待っています。
だからこそ、「この先が見えない」と感じるのは自然な反応ですし、それを不安に思うこと自体、誠実な姿勢でもあるのです。
見えないからこそ、不安になるのは当然
未来は誰にとっても“見えないもの”です。
たとえ恋人との関係が良好であっても、「結婚」という大きな変化を前にすれば、誰だって少なからず不安を抱きます。
特に、
- 「彼の本音がわからない」
- 「生活していけるのか心配」
- 「ずっと好きでいられるかわからない」
といった感情があるなら、それを無理に打ち消すのではなく「ちゃんと見つめること」が大切です。
「見えない」ことに不安を感じるあなたの感覚は、ごくまっとうなものです。
「心が整っていないのに進む方が不誠実」かもしれない
「もう決めたことだから」と、自分の気持ちにフタをして進もうとすると、後々の関係にしわ寄せが出てくることもあります。
- 「不安だったのに言えなかった」
- 「本当は迷っていた」
- 「やっぱり無理だった」
──そんな気持ちを押し込めたまま結婚してしまえば、それは“相手への誠実さ”にも欠けてしまうかもしれません。
結婚は、ふたりが安心して歩んでいくためのスタート地点。
だからこそ、「ちゃんと心が整っているか」を自分に問い直すことは、決してわがままではなく“誠意ある行動”なのです。
延期を考えることは“悪いこと”ではない
「結婚を延期したいなんて言ったら、どう思われるだろう…」
そんなふうに、自分の気持ちを押し殺してしまう人は少なくありません。
でも、本当に大切なのは「何を選んだか」ではなく「どう向き合ったか」です。
結婚を延期したいと思うことは、逃げでも弱さでもなく、むしろ“丁寧に自分と未来を見つめようとする行動”です。
「やめたい」ではなく「整理したい」気持ちでもいい
「別れたいわけじゃないけど、今のまま進んでいいか不安」
──そんな“揺れる気持ち”を抱えている人は多いものです。
大切なのは、「結婚を白紙に戻したい」ではなく、
「一度立ち止まって、自分の気持ちを整理したい」という願いであっても、それは十分に正当な理由になるということ。
「延期=否定」ではありません。
むしろ、“納得できる形で進むための準備期間”と捉えてもいいのです。
不安のまま進むことの方が、相手を傷つけるかもしれない
「延期を申し出たら、相手を傷つけてしまうかも…」
そう思って言い出せずにいる人もいるかもしれません。
でも、本当に相手を大切に思うなら──
不安なまま進んで、結婚後に違和感が膨らんでいく方が、よほど相手を傷つけることになりかねません。
- 自分の気持ちをごまかしたまま入籍する
- 一緒に暮らし始めてから衝突が増える
- 「やっぱり無理だった」となってしまう
そうならないためにも、「今、正直に伝える」ことが最も誠実な選択なのです。
「いま立ち止まる勇気」が、未来を変える選択になる
人生は、何度でも選び直せます。
「決めたから、もう変えちゃいけない」と思い込まずに、今一度“自分の気持ち”に耳を傾けてみましょう。
- 不安があるなら、見て見ぬふりをしない
- 整理が必要なら、時間をつくってあげる
- 本当は何を感じているのか、丁寧に受け止める
いま立ち止まることは、勇気のいる決断です。
でもそれは、あなた自身と、相手との未来を守るために必要な“やさしさ”でもあります。
延期するかどうかよりも、「自分の気持ちとちゃんと向き合ったか」が大切。
あなたの心に寄り添う時間を、どうか持ってあげてください。
【伝え方のヒント】延期を切り出すときのポイント
「結婚を延期したい」という気持ちが固まっても、それを相手にどう伝えるかは、さらに勇気のいるステップかもしれません。
相手を傷つけたくない。誤解されたくない。そんな想いが強くなるほど、言葉を選ぶのが難しくなってしまいます。
ここでは、“関係を壊さずに、気持ちを正直に伝える”ための3つのポイントをご紹介します。
①まずは「正直な気持ち」をそのまま伝える
一番大切なのは、自分の気持ちをごまかさず、飾らずに伝えることです。
「今、少しだけ不安があって…」
「このまま進む前に、一度気持ちを整理したいと思ってる」
このように、今感じている迷いやモヤモヤを“事実として”伝えることが、誠実さにつながります。
大切なのは、感情を否定せず「正直に話そうとしている」という姿勢です。
言葉を完璧に選ぶより、伝えようとする気持ちを真摯に表すことの方が、ずっと相手の心に届きます。
②「あなたを嫌いになったわけではない」と伝える
延期を申し出ると、相手は「嫌われたのでは?」と不安に感じてしまう可能性があります。
そのため、「気持ちが冷めたわけではない」「あなたを否定しているわけではない」と、しっかり伝えることが大切です。
たとえば、
- 「あなたとの関係を終わらせたいわけじゃない」
- 「結婚を焦って後悔したくないから、もう少し考えたいだけ」
という言葉があるだけで、相手の受け止め方はまったく違ってきます。
“あなたとの未来を考えたいからこそ延期したい”という気持ちを、素直に伝えましょう。
③「前向きな延期」であることを強調する
「延期」という言葉には、どうしても“後退”や“取り消し”のような印象がつきまといます。
だからこそ、「ネガティブな決断ではない」ことを、しっかり説明することが重要です。
- 「結婚自体をやめたいわけじゃない」
- 「よりよい形で進めるために、一度立ち止まりたい」
このように、“今後のための一歩”であることを強調しましょう。
延期=マイナスではなく、“お互いが幸せになるための時間”として伝えることが、前向きな対話につながります。
伝えることは怖いかもしれません。でも、「何も言わずに進めること」の方が、お互いを苦しめてしまう結果にもなりかねません。
あなたの不安も、未来を大切にしたい気持ちも、ちゃんと意味があること。
言葉にして伝えることが、「ふたりの関係を育て直す」第一歩になるかもしれません。
【まとめ】“自分の心に正直であること”を大切に
「結婚を延期したい」という気持ちは、多くの人が口にしづらいと感じるものです。
でも、人生の大きな節目だからこそ、本当の気持ちにフタをして進むことの方が、ずっとリスクが大きいのではないでしょうか。
迷いがあるのは、真剣に未来を考えているから。
“その場しのぎ”ではなく、“心から納得できる選択”をするために、自分自身と丁寧に向き合う時間を大切にしてください。
「結婚の延期」はわがままではなく、誠実な選択肢
「こんなタイミングで迷ってしまって申し訳ない」
「周りの期待を裏切ることになるかもしれない」
──そう思ってしまうのは当然ですが、だからといって「延期=わがまま」ではありません。
むしろ、本気で悩み、不安を抱えながらも立ち止まろうとすることは、“誠実さ”の表れです。
結婚はスタートです。その一歩を曇りのない気持ちで踏み出すために、迷いに目をそらさず、きちんと見つめることは大切なプロセスです。
「進む」も「止まる」も、自分の人生を大切にするための判断
「結婚する」と決めることも、「延期する」と決めることも、どちらもあなたの人生に対する責任ある判断です。
どちらかが正解で、どちらかが間違いという話ではありません。
大切なのは、「どうすれば自分が納得できるか」「どの選択が自分らしいか」という視点。
“進むべきだから進む”のではなく、“自分の意思で進めるか”が問われているのです。
「納得して決めた」と胸を張れる未来を目指して
迷いを感じた時点で、あなたの中には「何かが引っかかっている」サインがあります。
それを見て見ぬふりして進んでも、後で「自分の気持ちに嘘をついてしまった」と後悔することになりかねません。
だからこそ今は、“一時的な安心”ではなく、“長期的な納得”を大切にしてください。
何年か後に、「あの時きちんと自分と向き合ってよかった」と思えるような、そんな未来を目指して。
あなたが「この選択でよかった」と思える日が、きっと来るはずです。
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