【相談】「結婚したら一生この人だけ」って思うと怖くなります
「この人と一生…」と考えると怖くなる気持ち、よくあることです
相談者は…30代前半の男性「彼女とはうまくいってるけど、なぜか不安になる」
「彼女とは付き合って3年。ケンカもほとんどなく、穏やかで楽しい関係。でも、最近ふと『この人と一生一緒にいるのかな…』と考えたら、なぜか怖くなってしまって…。こんな気持ち、結婚に向いてないってことなんでしょうか?」
こう語るのは、都内在住の会社員・32歳の男性。彼のように、「彼女のことは好き。でも、“一生”という言葉を思うとプレッシャーを感じる」という声は、実は珍しくありません。
「好き」と「結婚したい」は別の気持ちでもおかしくない
「彼女のことは本当に大切」「楽しい時間も多い」――そんな気持ちがあっても、“結婚”を意識した途端に立ち止まってしまう。これは、真面目に将来を考えているからこそ起こる自然な反応です。
「好き」には現在の感情が反映されますが、「結婚したい」は将来を見据えた決断。そこには価値観のすり合わせ、生活のリアル、責任の重みなど、多くの要素が関わってきます。
つまり、「好き=すぐに結婚できる」とは限らないのです。
一生を決めるプレッシャーが“怖さ”に変わる心理
現代は「結婚して当然」という空気が薄れつつある一方で、だからこそ「自分の選択が人生を大きく左右する」というプレッシャーが重くのしかかります。
「この人でいいのか?」「本当に後悔しないか?」と自問しすぎて、心が疲れてしまうことも。特に30代に入り「そろそろ決断を…」という空気が強まる時期は、自分の内面と向き合う時間も増えるものです。
こうした「漠然とした怖さ」は、真剣に未来を考えている人ほど抱きやすいもの。この記事では、その不安の正体を少しずつ解き明かしながら、どう向き合っていくかを一緒に考えていきましょう。
「結婚=一生の相手」がプレッシャーになる理由
「一生」という言葉がもたらす心理的な圧迫感
「結婚したら、もう後戻りできない」「この先ずっとこの人とだけ生きていく」――そんな風に考えると、突然心に重さがのしかかってきた経験はありませんか?
「一生」という言葉には、とても前向きな意味と同時に、大きな“決断の重み”が含まれています。
人生は変化の連続。なのに「今の決断が未来をすべて決めてしまう」と思うと、まるでドアが閉まってしまうような閉塞感や緊張感を覚える人も少なくありません。
本来、結婚とは「未来を共に創っていくスタート」のはず。でも、「選び直せない」「やり直せない」といった思い込みがプレッシャーになってしまうこともあるのです。
「この人で本当にいいのか」という迷いの根っこ
「彼女のことは好きだけど、もっと合う人がいるかも」「何かが欠けているような気がする」――そんな感情に戸惑っている人も多いはず。
この迷いの正体は、相手への不満というよりも、自分自身の「完璧な結婚」「後悔しない選択」へのこだわりから来ていることがよくあります。
今のパートナーとの関係に「絶対の確信」が持てないと、「もしかして間違ってる?」「まだ選択肢があるのでは?」と不安になりやすいのです。
でも、どんな相手でも“迷いゼロ”ということはありません。むしろ「この人でいいのかな」と悩むこと自体が、人生を真剣に選ぼうとしている証でもあるのです。
「変化できない未来」が怖く感じてしまう背景とは
結婚に対する“漠然とした怖さ”の中には、「この先、変わりたいと思っても、自由がきかなくなるのでは?」という不安が隠れていることがあります。
・「今は自由に趣味や仕事ができている」
・「自分の価値観やライフスタイルが変わる可能性がある」
・「それでも、この相手とずっと同じ方向を向けるか不安」
結婚=未来が固定される、という思い込みがあると、「このままでは変われない」「選び直せない」という焦りや不自由さが顔を出します。
でも実際の結婚生活は、“変化するふたり”で育てていくもの。「今の自分」と「これからの自分」がどう成長していくかを一緒に考えられる関係性なら、怖さは少しずつ安心に変わっていくはずです。
【確認ポイント】あなたの不安はどこからきている?
結婚に対する“漠然とした不安”の正体が見えないままでは、気持ちはなかなか整理できません。「何が不安なのか」を掘り下げることで、自分にとって本当に大切なことが見えてくることがあります。ここでは、代表的な3つの確認ポイントを紹介します。
①「この人のことが好きか?」に迷いはある?
まず最初に、自分の「好き」という気持ちがどこまで確かなのかを見つめてみましょう。
・「一緒にいて居心地がいい」
・「信頼できるし、大切に思っている」
・「でも、ドキドキや高揚感は減ってきたかも…」
こうした気持ちは決して矛盾していません。「好き=ずっと恋愛感情が続く」ではなく、関係が深まるほど“安心感”が前に出てくるのは自然なことです。
もし「好きなのに結婚が怖い」と感じるのなら、それは“相手の問題”ではなく、“結婚”そのものに対する心の壁の可能性も。相手への気持ちと、未来への不安をごちゃ混ぜにしないように整理してみましょう。
② 結婚後の生活に対して、どんなイメージを持っている?
「この人と一生一緒に過ごす」と考えたとき、どんな情景が思い浮かびますか?
・仕事と家事の分担はどうなる?
・自分の時間や趣味は持てそう?
・子どもを持つかどうか、ライフプランの違いは?
こうした具体的なイメージを持とうとしたとき、「なんだかモヤっとする」「描けない」と感じる場合、それは未来への準備がまだ整っていないサインかもしれません。
逆に、「あまり想像できてないだけ」「考えるタイミングが来ただけ」と捉えれば、それだけで不安は少し軽くなることもあります。
③ 「誰かと一生を共にする」ことに対する思い込みは?
結婚に不安を感じる背景には、知らず知らずのうちに植えつけられた「理想」や「義務感」が潜んでいることがあります。
たとえば…
・「結婚したら常に仲良くしていないといけない」
・「パートナーは“すべてを理解してくれる存在”であるべき」
・「もう恋愛は終わり。あとは我慢の生活?」
こうした思い込みがあると、「一生って重すぎる」「この人じゃなくてもいいのでは?」という気持ちが湧いてくるのも当然です。
でも実際の結婚生活は、完璧なパートナー同士の安定空間ではなく、“不完全なふたりが支え合い、話し合いながら進んでいく日々”。思い込みを手放せば、「怖さ」もまた、現実的な「歩き方」に変わっていくかもしれません。
【整理ワーク】“怖さ”の正体を言葉にしてみよう
「この人と一生…」という考えに不安や怖さを感じるとき、それを無理に打ち消そうとするのではなく、「どんな怖さなのか?」をあえて言葉にしてみることが大切です。
怖さには、“未来への不安”と“過去の記憶”が影響していることが多く、それを見える形にすると、自分が何に引っかかっているのかが見えてきます。
① どんな未来を想像すると怖くなる?
たとえば、こんな場面を想像したとき、胸がざわついたり、違和感を感じたりしませんか?
- 休日は毎週ずっと家族で過ごすことになりそう…
- 仕事の転機が来ても、家庭優先で身動きが取れないかも…
- 何十年も同じ相手と同じ日常を繰り返す未来…
もしそう感じるなら、「結婚そのもの」よりも、「こうあるべき」という固定された未来像が怖いのかもしれません。
重要なのは、未来は「選べる」ということ。固定された形をイメージして不安になるよりも、「自分たちらしい未来」を一緒に考えられるかどうかが大切です。
② 「自由がなくなる」「逃げられない」…それは本当に現実?
結婚=自由が失われる、というイメージを持っている人も少なくありません。
- 「ひとりの時間がなくなる」
- 「やりたいことが制限される」
- 「嫌でも我慢し続けないといけない」
こうした“縛られる未来”への不安がある場合、過去に「自由を奪われた」と感じた経験や、人から期待を背負わされた過去が関係していることもあります。
でも本当にそうでしょうか?
実際には、パートナーとの関係次第で“自由と安心”は両立できます。むしろ「お互いを尊重できる結婚」は、自分ひとりでは得られなかった“新しい自由”をもたらしてくれることさえあるのです。
③ 過去に「決断して後悔した経験」はある?
過去にこんな経験があった人は、結婚という大きな決断の前に、強くブレーキを感じやすいかもしれません。
- 転職したけど、思っていたのと違って後悔した
- 一度選んだ道を簡単に変えられなかった苦い記憶がある
- 昔の恋愛で、「もっと考えていれば…」と悔やんだことがある
こうした体験があると、「今の選択もまた間違ってるかも…」という思考に陥りがちです。
でも、結婚は“途中で調整できるもの”でもあります。ひとつの決断がすべてを決めるわけではなく、「その都度ふたりで修正していく」「変わっていける関係性」があるからこそ、安心して選んでいけるのです。
【話し合いのヒント】パートナーと不安を共有できる関係へ
「結婚したら一生この人だけ」と考えたときの不安を、相手に伝えていいのか迷う人は少なくありません。「言ったら嫌われるかも」「重くとられそう」と口を閉ざしてしまいがちです。
でも、不安を“自分だけの問題”にしてしまうと、距離が生まれていきます。実は、こうした率直な思いこそ、関係を深めるチャンスになることもあるのです。
「一生一緒にいたい」と言えない自分を否定しない
「一生添い遂げるなんて、まだ自信が持てない」と感じるのは、決して無責任でも冷たいわけでもありません。
むしろ、誠実だからこそ、慎重になってしまう。軽々しく「結婚しよう」と言えないことに、真剣さがにじみ出ているのです。
まずは、「そう感じる自分を否定しない」ことが大前提。不安を抱えたまま言葉にできない状態の方が、長期的に見ると2人の関係にしこりを残してしまいます。
「今の気持ち」を伝えることで関係が深まることもある
伝えることに勇気がいるのは当然です。けれど、すべてを正直に言う必要はありません。「なぜか少し不安になることがあるんだ」「一生って考えると怖くなる瞬間がある」というように、“自分の感情”にフォーカスして伝えてみるのがおすすめです。
ポイントは、相手を否定したり、結婚を否定したりする意図ではないことを、言葉で添えること。
たとえば:
- 「君のことが好き。でも、“一生”って言葉がプレッシャーに感じるときがあるんだ」
- 「何かが不安というより、ただすごく大きな決断に感じて…まだ整理中なんだ」
こんなふうに伝えるだけでも、相手にとっては「一緒に考えていけるんだ」と感じられるきっかけになります。
「未来の話」を“ふたりで考える”姿勢が大事
不安は、“自分ひとりで結論を出そうとする”ときに重たくなってしまいます。「一生一緒にいる」と決めるのではなく、「一緒に未来をつくっていけるか」を考えるプロセスに切り替えることで、気持ちがラクになることもあります。
たとえば、こんな問いかけを共有してみるのもひとつの方法です。
- 「結婚したら、どんなふうに暮らしたいと思ってる?」
- 「自由な時間って、ふたりにとってどういう形が心地いいと思う?」
- 「変わっていける関係って、どうつくっていけるんだろう?」
このように、“理想像”ではなく“現実にできること”として未来を語れる関係は、プレッシャーではなく「協力し合える安心感」へとつながります。
「不安を見せること」は、弱さではなく“信頼の証”です。
勇気を出して言葉にしたとき、「言ってよかった」と思える関係であるかどうかが、むしろ結婚に向いているかどうかの大きなヒントになるのかもしれません。
実例|「結婚に怖さを感じた」男性たちのリアルな声
「好きな気持ちはあるのに、どうしても踏み出せない…」
そんな“得体の知れない怖さ”に悩んだ男性たちは、実は少なくありません。ここでは、実際に寄せられた体験談をもとに、その迷いや向き合い方を紹介します。
「一生が重すぎて踏み出せなかったけど、話したら楽になった」
最初は、結婚って“絶対に後戻りできないもの”だと思っていました。彼女はすごく良い人で、特に不満があるわけじゃない。でも、「これから一生この人とだけ」って想像すると、言いようのない不安が押し寄せてきたんです。
そんな気持ちをずっとひとりで抱えていたんですが、あるとき勇気を出して、彼女に「何となく怖いときがある」と伝えたら、「私も不安なときあるよ」と言われて。肩の力が抜けたというか、「自分だけじゃないんだ」って初めて思えました。
(38歳・会社員)
「怖い=ダメじゃない」と受け止めてもらえた安心感
結婚=安心、幸せ、喜び…って周りからは言われるけど、自分の中では「自由がなくなる」「何かを失うかもしれない」って気持ちもあって…。そのせいで「自分は人としてダメなんじゃないか」と思い込んでいたんです。
でも、彼女に「怖いと思ってる自分が嫌だ」と正直に話したとき、「そんなふうに思ってくれてることがむしろ嬉しい」って言ってくれて。怖がること自体がダメなんじゃない、って思えたとき、本当に救われました。
(35歳・IT関連)
「絶対じゃなくて、ふたりで歩いていく感覚」に変わったケース
「この人と一生添い遂げる」って、どこかで“契約”みたいに思ってたんですよね。だからこそ、「後悔したらどうしよう」と身構えていたんだと思います。
でもある日、彼女が「私も完璧じゃないし、変わっていくと思うよ」と言ってくれたんです。その一言で、「絶対にこの人でなきゃダメ」と思う必要はないんだ、「一緒に変わっていく関係でいいんだ」と気づけました。
結婚って、ゴールじゃなくて“スタート”なんだと感じられて、ようやく前に進む気持ちになれました。
(37歳・自営業)
これらの声に共通しているのは、「怖さを否定せずに言葉にしたことで、気持ちが整理できた」という点です。
自分の中だけで完結させようとするほど、不安は膨らんでいくもの。逆に、誰かと共有することで「怖さ」そのものが、ふたりの関係を深めるきっかけになっていくのかもしれません。
まとめ|「怖い気持ち」こそ、結婚を真剣に考えている証拠
「この人と一生…」と考えたときにふと感じる“怖さ”や不安。
それは決して、「結婚に向いていない」「この相手とはうまくいかない」という結論ではありません。むしろその“怖さ”こそが、結婚を軽く考えていない証拠であり、相手と真剣に向き合おうとしている気持ちの表れです。
「不安=間違い」ではない
結婚を考えるとき、誰もが少なからず不安を抱きます。
・「この人で本当にいいのか?」
・「今後ずっとうまくやっていけるのか?」
・「後戻りできなくなる気がする…」
こうした気持ちは、多くの人が通る“自然な感情の流れ”です。不安があるからといって、それが“間違った選択”を意味するわけではありません。むしろ、「ちゃんと考えているからこそ湧いてくる感情」とも言えるでしょう。
「一生この人だけ」ではなく「一緒に育てていける関係」
“結婚”と聞くと、どうしても「この人と一生変わらずに…」というイメージを抱きがちです。
でも現実には、人も関係も変化していくもの。大切なのは、「ずっと変わらない関係」ではなく、「変化を一緒に受け止め、育てていける関係」であること。
「一生この人だけ」と思うとプレッシャーになりますが、「一緒に進化していけるかも」と思えると、関係はもっと自由で温かいものになります。
「怖さ」を共有することで、本当の信頼が育つ
そして、あなたが今感じている“怖さ”を、もしパートナーに正直に伝えられたら――それは関係を一歩深める大きなチャンスになります。
不安や葛藤を打ち明けたとき、相手がそれをどう受け止めてくれるか。
そのやり取りの中に、「信頼」や「安心感」が少しずつ芽生えていきます。
完璧じゃなくていい。100%の確信がなくてもいい。大切なのは、互いの「今の気持ち」に耳を傾け合える関係性です。
「怖い」と感じるのは悪いことではありません。
むしろその気持ちにちゃんと向き合えたとき、あなた自身が「この人と一緒にいたい」と心から思える瞬間が、自然と訪れるのかもしれません。
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