【相談】彼と結婚すれば“幸せ”になれる気がしない
【相談者の声】「このまま結婚しても、幸せになれる気がしない…」
相談者:30歳・会社員女性/交際6年の彼と婚約中
交際期間も長く、周囲からも「そろそろ結婚だね」と言われ続けてきた中、ようやく婚約に至ったというAさん。親や友人、職場の同僚からも祝福されているが、心の奥では「本当に幸せになれるのかな?」という不安がふと湧いてしまうと言います。
彼に大きな不満があるわけじゃないけれど
Aさんは、彼のことを「誠実でまじめな人」と語ります。暴力や浮気などの問題があるわけでもなく、むしろ周囲からは「いい人と巡り会えたね」と言われることばかり。それでも、自分の中にふと生まれる違和感に戸惑っていると話します。
「将来の生活」がなぜかイメージできない
結婚式の話や将来の住まいの話になると、Aさんはなぜか言葉に詰まってしまうといいます。「この人と一緒に暮らす未来が、頭の中でぼんやりしていて…現実味を感じられないんです」と。ワクワク感よりも“義務感”のようなものを覚える自分に、不安が募るばかりだそうです。
周りは祝福ムード。でも心はどこか沈んでいる
親や友人、職場の人たちは口々に「おめでとう!」「幸せになってね」と声をかけてくれるものの、その言葉がどこか重たく感じてしまうAさん。「なんでみんなあんなに喜んでくれてるのに、私だけ浮かない顔なんだろう…」と、むしろ自分の気持ちに罪悪感を抱いてしまっていると話します。
“幸せになれない気がする”のは、どんなとき?
「彼のことは嫌いじゃないし、特に大きな不満もない」──それでも、ふとした瞬間に「このまま結婚して本当に幸せになれるのだろうか」と感じてしまう人は少なくありません。
そうした“説明できない不安”がどこからくるのか、よくある感覚の例を通して整理していきます。
「本音を言えない関係」がじわじわと重くなる
最初は小さな遠慮でも、それが積み重なると「自分らしくいられない」という息苦しさにつながります。たとえば「こういう話は彼に言っても嫌がられそう」と思って口をつぐむ日々が続くと、自分の気持ちが置き去りにされているような感覚になり、「この先ずっとこうなのかも…」と不安になってしまうことも。
「一緒にいると疲れる」感覚は心のサイン
「一緒にいて楽しいはずなのに、なぜか帰り道でぐったりしてしまう」「彼といるとき、自分の表情が固まっている気がする」──そんな感覚は、無意識に気を遣いすぎているサインかもしれません。
心が休まらない関係をこのまま続けていいのか、自分自身に問い直してみることが必要です。
「なんとなくの違和感」が不安を呼び起こす
「明確に説明できないけど、なんとなく違和感がある」──その“なんとなく”は、決して無視してはいけない心の声です。違和感は時間とともに薄れるどころか、むしろ鮮明になっていくこともあります。
特に結婚という人生の大きな決断を前にしたとき、不安の種はできるだけ早く見つめておくことが大切です。
「好き」だけでは結婚生活を支えられない理由
恋人としては申し分ない相手でも、「この人と一生を共にできるか」となると、話は少し違ってきます。
結婚は“日常の積み重ね”です。「好き」という気持ちがあるからといって、現実の生活がスムーズにいくとは限りません。
ここでは、恋愛感情と結婚のリアルなギャップに焦点を当てていきます。
「恋愛感情」と「結婚の相性」は別物
恋愛は“ドキドキ”や“ときめき”が大きな軸になりますが、結婚は“安心感”や“協力関係”が求められる場面が多くなります。
「一緒にいて楽しい」だけでなく、「一緒に生活できるか」「困難をどう乗り越えるか」といった視点が必要です。
恋愛では目をつぶれていた些細な違和感が、結婚生活では繰り返し表面化し、次第に重くのしかかってくることもあります。
「価値観のずれ」が積もると、幸せを感じにくくなる
たとえば金銭感覚や家族観、時間の使い方など、日常生活の中で求める“あたりまえ”がすれ違うと、次第にストレスが蓄積します。
「どうして分かってくれないの?」という思いが繰り返されると、どれほど愛情があっても、安心できる関係とは言えなくなっていきます。
価値観の違いは、話し合いで乗り越えられる場合もありますが、「そもそも根本が合っていない」ケースでは無理を重ねることになりかねません。
相手の“優しさ”だけでは埋められない部分もある
「彼はとても優しいから…」「文句を言うようなことじゃないよね」と自分に言い聞かせていませんか?
もちろん、優しさは結婚生活において大切な要素です。しかし、“優しい”=“一緒に幸せに暮らせる”とは限りません。
優しさの中に「本音を共有できない」「違和感を無視して合わせてしまう」といった関係性が潜んでいると、自分の心が置き去りになってしまうこともあります。
“幸せのイメージ”が持てない原因とは?
「特に不満があるわけじゃないけど、なんだか不安」「結婚後の暮らしがまったくイメージできない」――
そんな感覚に心がざわついている人は少なくありません。
その背景には、“ふたりの未来”に対するズレや、自分自身の願いを置き去りにしたまま話が進んでいる状況があるのかもしれません。
ここでは、“幸せのイメージ”が持てなくなる原因について探っていきましょう。
「こうなりたい未来」が彼と重ならないとき
たとえば「子どもを持ちたい」「仕事を続けたい」「老後は田舎で静かに暮らしたい」など、人生に対するビジョンは人それぞれ。
彼との会話の中で、こうした未来像が「どこかずれている」と感じたことはありませんか?
最初は小さな差でも、それが“当たり前”としてすれ違い続けると、やがて「この人とじゃないかもしれない」という感覚に変わっていきます。
幸せは“同じ方向を見られる相手”と築くことで、ようやく現実味を帯びてくるものです。
「親や周囲が喜んでいるから」と進めてしまう不一致
「彼のことを両親がとても気に入っていて…」「職場にも報告していて、いまさら後戻りは…」
そんな“外側の期待”が、自分の気持ちを押し流してしまうこともあります。
でも本来、結婚するのはあなた自身であり、周囲の期待に応えることがゴールではないはずです。
「喜んでくれるから…」という気持ちが、いつの間にか“義務”になっていないか――。
幸せのイメージがぼやけるとき、そこに「誰かの期待」が大きく影を落としていることも多いのです。
「本当はこうしたかった」が抑え込まれている可能性
「もっと自由に生きたかった」「一度ひとり暮らしをしてみたかった」「転職して自立してから結婚したかった」
――そんな“自分の本当の願い”を、心の奥で見ないふりをしていませんか?
本当は別の人生を一度経験してから、パートナーを迎え入れたかったのかもしれません。
でも、「今さらそんなこと言えない」「ワガママだと思われたくない」と思って、自分の想いにフタをしてしまう人も少なくありません。
その抑え込まれた“本音”こそが、今のモヤモヤの正体である可能性があります。
結婚を「やめたい」のか、「迷っている」だけなのかを見極める
「もうこのまま結婚するしかないのかな……」
「でもやっぱり、なんとなく不安が残っている……」
結婚を前にしたとき、誰しもが少なからず不安や迷いを抱くものです。
ただ、その迷いが一時的なものなのか、あるいは「このままでは自分が幸せになれない」という本音からくるものなのかを、丁寧に見極めることがとても大切です。
ここでは、「やめたい」と「迷っている」の違いを整理し、自分の本心に耳を傾けるための視点を紹介します。
「彼との未来」がポジティブに思い描けるか?
まず問いかけてみてほしいのは、**「彼といる未来を想像したとき、自分は幸せそうか?」**ということ。
結婚生活は日常の積み重ねです。特別な出来事よりも、毎日の「空気感」が人生を左右します。
・彼と一緒にいる自分が自然体でいられるか
・困ったとき、助け合える信頼関係があるか
・一緒に歳を重ねていく姿が前向きにイメージできるか
「嬉しい未来が描けない」「彼との生活がどこか重く感じる」
そんな場合は、心が“本当の望み”に気づき始めているサインかもしれません。
迷いの根っこにある“恐れ”や“疲れ”を見つめる
結婚を前にした迷いの多くは、「本当にこの人でいいのか?」という不安だけでなく、
「今さらやめるなんて言えない」「失望されるのが怖い」といった“周囲との関係性”からくるものもあります。
・彼の反応が怖い
・家族や友人をがっかりさせたくない
・結婚準備が進んでいる現実が重くのしかかる
これらは“自分を守ろうとする心の防衛反応”でもあり、正直な気持ちと混ざり合って、モヤモヤの正体を曖昧にしてしまいます。
だからこそ、まずは「自分が何に疲れているのか」「何に怯えているのか」を紙に書き出して、心を整えることが大切です。
「どうすれば心が軽くなるか」に意識を向けてみる
「やめたい」「迷っている」――その境界線を見極めるカギは、“感情の変化”に注目することです。
たとえば、
- 結婚の話から離れた瞬間、ホッとする
- 彼と会うたびに、モヤモヤや緊張が強まる
- 「やめられたらラクになる」と感じる
こうした感覚があるなら、もしかすると本心は「立ち止まりたい」と叫んでいるのかもしれません。
逆に、誰かに話を聞いてもらったり、一人で深呼吸する時間をとることで、心が落ち着き、前向きな気持ちが戻るなら「一時的な迷い」かもしれません。
どちらであっても、あなたの感じていることは間違いではありません。
心を軽くする方法を探ること=自分の気持ちを大切にすること。
まずは、「自分の本音がどこにあるか」を丁寧に見つけてあげましょう。
【整理ワーク】自分にとって「幸せな結婚」とは?
「彼と結婚しても幸せになれる気がしない――」
この迷いに向き合うとき、最も大切なのは、“そもそも自分にとって幸せな結婚とは何か”を明らかにすることです。
「みんなが祝福してくれるから」
「結婚=人生の正解だから」
そんな“世間的な幸せ”ではなく、**“あなた自身の幸せ”**を、ここであらためて見つめ直してみませんか?
以下に紹介する3つの視点で、心の中を整理してみましょう。
「安心できる関係」に必要なものを言葉にしてみる
まずは、自分が結婚生活で**「これがあると安心できる」**と思う要素をリストアップしてみましょう。
たとえば…
- 疲れているときに無言でもそばにいてくれる
- 意見が食い違っても冷静に話し合える
- 経済的な価値観が近い
- 家事や育児を自然に分担できる
このように、“愛情”よりも“日常の安心感”が、長く続く関係には欠かせないと感じる人も多いもの。
そのうえで、**今の彼との関係にその要素があるか?**を冷静に振り返ってみてください。
「こういう夫婦になりたい」理想像を描いてみる
次に、将来「こういう夫婦でいたいな」と思える理想像を描いてみましょう。
- 一緒にいて笑い合える
- お互いに自立しながら支え合える
- ケンカしてもすぐに仲直りできる
- 静かな時間も心地よく過ごせる
ここでポイントなのは、「理想が高すぎるかも」と遠慮せずに、素直に「こうなりたい」と思うことを自由に書くことです。
“本当の気持ち”は、制限を外したときにこそ見えてきます。
「彼となら、それが叶うか?」を冷静に考える
最後に、自分が挙げた「安心できる条件」や「理想の夫婦像」が、彼との関係でどれだけ現実的かを見つめてみましょう。
- 今の時点で、少しでもその関係性が見えているか?
- 話し合いを通じて近づける可能性があるか?
- 自分が“無理して合わせている”状態ではないか?
「全部が叶わなくても、彼となら前向きに工夫できそう」
そう思えるなら、迷いはあっても進む価値があるかもしれません。
けれど、「彼とはどう頑張ってもズレている」と感じるなら、それは今、**“選び直すべきタイミング”**なのかもしれません。
このワークの目的は、結婚をやめる・続けるの“正解”を出すことではありません。
「自分は何を大切にしたいのか?」という軸を取り戻すことです。
あなたの幸せのカタチは、あなたにしか決められません。
【まとめ】“幸せになれるかどうか”は、あなたの感覚が教えてくれる
結婚を目前にして、「このまま進んで幸せになれる気がしない…」
そう感じているあなたの不安は、決して“気のせい”ではありません。
「彼に大きな不満があるわけじゃないのに、なぜだろう」
「周りは祝福してくれているのに、心が沈む」
――それは、あなたの中にある**「大切にしたい気持ち」や「納得したい想い」**が、SOSを出している証拠かもしれません。
「幸せになれる気がしない」は、無視できない心の声
違和感は、心からのサインです。
無理にかき消そうとすればするほど、後からもっと大きく、深い迷いとしてあなたを揺さぶることもあります。
「彼に悪いから」
「ここまで準備してきたから」
「自分のワガママかもしれないから」
――そうやって本音を抑え込むより、一度、立ち止まって自分の気持ちと向き合う勇気を持ってください。
「周りがどう思うか」より「自分が納得できるか」
親や友人、職場など、周囲の期待や祝福が重く感じることもあるかもしれません。
でも、結婚生活を送るのは他の誰でもなく、**“あなた自身”**です。
「この人となら、どんなことも一緒に乗り越えていけそう」
そう思えるかどうかは、あなたの感覚にしかわかりません。
どんなに周囲が歓迎してくれていても、
**あなたが納得できていないのなら、それは“見直すサイン”**かもしれないのです。
「安心して進める」選択ができるよう、自分と向き合おう
このページで整理してきたように、迷いがあることは悪いことではありません。
むしろ、あなたが**“真剣に人生を考えている証”**です。
無理に答えを急がなくてもいいのです。
一度立ち止まり、
「自分が本当に望む結婚とは?」
「この人と、心から“よかった”と思える未来が想像できるか?」
――そう問いかけてみてください。
そして最後に大切なのは、
**「自分で選んだ」**と思える決断をすること。
それが、納得して前に進む力となり、あなたの未来を支える土台になります。
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