【相談】親や職場は結婚を急かすけど、自分はまだ迷ってます

「結婚を急かされる」のはなぜこんなにつらいのか
「本当に結婚したいのか、わからない」気持ちの正体
【体験談】「親に急かされたけど、私はこう決めた」人たちの声
【整理ワーク】自分の「結婚観」を見つめ直す3つの質問
結婚を急かされたときの、心がラクになる対処法
結婚を急かされたとき、迷いから抜け出せた人の共通点
まとめ｜「今すぐ結婚しない」も立派な選択肢

「結婚を急かされる」のはなぜこんなにつらいのか

―相談者プロフィール―
30代後半の女性・会社員。交際中のパートナーはいるが、結婚のタイミングについて迷いがあり、親や職場からの「そろそろ結婚は？」というプレッシャーが日々のストレスになっている。

親や職場の“善意”が重く感じるとき

親や上司、同僚といった「身近な人」からの言葉は、たとえ悪気がなかったとしても心に刺さるものです。特に「結婚はまだ？」「子どもはどうするの？」といった言葉は、まるで“人生の正解”を押し付けられているような気持ちにさせられます。

本来、結婚は当人同士の意思で決めるべきプライベートな選択肢です。しかし、親は「孫の顔が見たい」、職場の人たちは「そろそろ落ち着く頃だよね」といった“世間的な基準”で判断しがちです。その結果、相談者のように「まだ決められない」「まだ迷っている」人にとっては、言葉の一つ一つがプレッシャーとして積み重なっていきます。

「まだ決められない自分」が責められているように感じる理由

相談者のように、結婚を「今すぐに」とは考えていない人にとって、一番苦しいのは“決められない自分”を他人に責められているように感じてしまうことです。

たとえば「早くしないと相手に逃げられるよ」「子どもが欲しいなら急がないと」などの言葉は、一見アドバイスのようでいて、その実「あなたは間違っている」と言われているような感覚をもたらします。

決断には時間がかかるものです。相手との価値観のすり合わせ、ライフプランの整理、自分の気持ちの確認──それらを経て初めて「結婚したい」と思える人も多いはずです。しかし、周囲からの急かしにより、こうした「迷う時間」が奪われてしまうと、自己否定のループにはまってしまう危険もあります。

焦らせる空気の中で、本音が言えなくなる背景

「まだ結婚したくない」「正直、迷っている」──こうした本音を、親や職場の人に素直に伝えるのは、意外と難しいものです。なぜなら、その言葉を発した瞬間に、「自分は普通じゃない」「親をがっかりさせる」といった不安が湧き上がってくるからです。

特に女性は年齢とともに“タイムリミット”を意識させられる社会的な空気が強く、周囲の「心配」や「常識」という名の圧力に飲み込まれてしまいやすい傾向があります。

その結果、気がつけば「周りに合わせて結婚を選ぶしかない」と感じてしまい、本当はまだ迷っていたはずの自分の気持ちを置き去りにしてしまうのです。けれど、それで本当に幸せになれるのでしょうか？

「本当に結婚したいのか、わからない」気持ちの正体

「結婚＝幸せ」と思いきれないのはなぜ？

「結婚したら幸せになれるよ」と言われて育ってきたはずなのに、いざその選択肢が目の前に現れると、なぜかすぐには決断できない——。そんな迷いを抱えている人は、実は少なくありません。

そもそも「結婚＝幸せ」という前提は、社会や家族、メディアから刷り込まれてきた価値観の一つです。確かに、パートナーがいることの安心感や支え合う喜びを感じられることも多いですが、それがすべての人にとって「絶対的な幸せ」とは限りません。

たとえば仕事にやりがいを感じていたり、一人暮らしの気楽さに満足していたり、趣味や交友関係が充実していたりすると、「今のままでも十分に幸せなのに、なぜ変えなければいけないの？」という気持ちが生まれます。

「誰かと生きる幸せ」もあれば、「ひとりを楽しむ幸せ」もある。けれど、社会の中では前者ばかりが“正解”として扱われがちです。そのギャップが、迷いや罪悪感を生みやすくしているのかもしれません。

恋人はいる。でも「この人でいいのか」と思ってしまう

「彼（彼女）は優しいし、問題があるわけでもない。でも結婚となると迷ってしまう」——そう話す方は意外と多いものです。

この迷いの原因は、相手に大きな欠点があるというよりも、「一生を共にする相手として本当に納得できるのか？」という不安にあります。結婚はゴールではなくスタート。そう考えるほどに、「これから何十年も一緒に暮らす」と想像したときに、少しの価値観のズレや将来設計の違いが気になってしまうのは自然なことです。

また、自分の中で「理想の結婚像」が明確に描けていない場合も、決断がにぶりがちになります。たとえば、「子どもは欲しいのか？」「共働きでいいのか？」「親との関係はどうなるのか？」など、具体的な将来像を思い描いたときに曖昧な点が多いと、「今のまま進んで大丈夫なのか」と立ち止まってしまうのです。

こうした気持ちは、“本気で相手との未来を考えているからこそ”生まれるもの。決して相手への気持ちが足りないわけでも、失礼な感情でもありません。むしろ、「とりあえず結婚してから考えよう」と楽観的になるよりも、真剣に向き合っている証といえるでしょう。

一人の時間や自由を手放すことが怖い

今の時代、多くの人が「自分らしく生きること」に価値を感じています。特に20代後半〜30代にかけては、仕事もプライベートも少しずつ自分のスタイルができてきて、「このままの生活を守りたい」という気持ちが強くなるタイミングです。

そこに「結婚」という選択肢が入ってくると、自分の時間や自由が制限されるのではないかと感じてしまうこともあります。

・休日は好きなことをして過ごしたい
・自分のペースで家事や生活をしたい
・誰かに合わせて生きることがストレスに感じる

こうした気持ちを持つことは、決して悪いことではありません。自立している証でもあります。

ただ、こうした“失うかもしれないもの”に目が向きすぎると、「結婚＝不自由」という印象ばかりが強くなり、前向きなイメージが持てなくなってしまいます。

実際には、「二人で暮らしても、自分の時間を尊重できる関係」や「無理に合わせず、対等な距離感を築く結婚」も可能です。しかし、周囲の結婚生活のイメージや過去の家族観に縛られて、「どうせ自由がなくなるに決まってる」と決めつけてしまっているケースも少なくありません。

自分にとって「どんな結婚なら、納得できるのか？」を改めて整理することで、見えなかった選択肢が浮かび上がってくることもあります。

【体験談】「親に急かされたけど、私はこう決めた」人たちの声

結婚に対するプレッシャーに悩みながらも、「自分らしい決断」をした人たちはどんな経緯をたどったのでしょうか？ここでは、読者と同じように迷いながらも答えを見つけた人たちのリアルな体験談を紹介します。

プレッシャーに負けず、自分のタイミングで結婚した人の話

30代後半・女性（公務員）

「親に『そろそろ最後のチャンスじゃない？』と毎週のように言われ続けていました。でも正直、仕事もまだ楽しくて、パートナーとも“今すぐ”結婚という気分にはなれなかったんです。

ある日、『そんなに言うなら親のために結婚したほうがいいのか？』と本気で悩みました。でも最終的には、私が“この人と家庭を作りたい”と自然に思えた瞬間に決めよう、と心に決めたんです。

結局、交際5年目のとき、2人で旅行中にふと『今なら結婚してもいいかも』と思えて、そこから話が進みました。親の声に流されそうになったこともありましたが、あのとき自分の気持ちに正直でいられたから、今は幸せに暮らせています。」

「まだ決めない」選択をしたことで納得できたケース

20代後半・男性（IT企業勤務）

「両親も職場の先輩も、『30歳までには結婚しないと』と何度も言ってくるので、最初は“何かおかしいのかな、自分”と悩みました。恋人はいましたが、正直、結婚という形にまだピンと来ていなかったんです。

焦ってもきっといいことはない、と思い直し、『今はまだ決めない』と恋人にも正直に伝えました。彼女も不安だったようですが、きちんと話すことで逆に関係は落ち着きました。

数年後、仕事も生活も落ち着いて、ふたりで暮らし始めたタイミングでようやく“結婚したい”と思えた。タイミングって、自分で納得できるときにしか訪れないんだと実感しました。」

「親との距離感を変えたら、気持ちがラクになった」という声

30代前半・女性（フリーランス）

「実家に帰るたびに『早く相手見つけなさいよ』と同じ会話になるのが本当にストレスでした。無意識に“親を安心させたい”と思っていたけど、それがどこかで自分を縛っていた気がします。

あるとき、心理カウンセラーの方に『親の期待に応えること＝自分の幸せじゃない』と言われてハッとしました。そこからは“親と自分の人生は別物”と意識し、実家との頻度も少し減らしたんです。

不思議なもので、物理的に距離を取るようになると、気持ちもラクになって。結婚も、いまは『焦らなくていい』と思えるようになりました。」

【整理ワーク】自分の「結婚観」を見つめ直す3つの質問

「本当は結婚したくないのかな？」「このまま今の関係を続けてもいいのか…」と、悩みの中でぐるぐる考えてしまう時期は誰にでもあります。
そんなときに大切なのは、「結婚するべきかどうか」を焦って決めることではなく、「なぜ自分が迷っているのか」「どんな暮らしを望んでいるのか」をゆっくり言葉にしてみることです。

ここでは、迷いや不安の中にいるあなたが、自分自身の気持ちを整理できるように――3つの視点から問いを投げかけてみます。

「なぜ、迷っているのか？」を言語化してみる

まず最初に立ち止まって考えたいのは、「そもそもなぜ、自分は今“結婚”について迷っているのか？」という点です。

たとえば…

親の期待が重く感じてしまう
今の恋人と将来を想像しきれない
仕事や趣味など、今の生活を崩したくない
周囲と比べて焦る気持ちがある

こうした「迷いの理由」を丁寧に言葉にしてみるだけでも、自分の悩みの核心が見えてくることがあります。

大切なのは、「迷っている＝悪いこと」ではないという前提です。
結婚に対する迷いは、「ちゃんと自分の気持ちを大切にしたい」「相手と真剣に向き合いたい」という誠実さの表れでもあります。

「どんな結婚生活を望んでいるか？」を想像してみる

「結婚したいかどうか」だけでなく、「どんな結婚生活なら自分は納得できるか？」を考えてみることも大切です。

たとえば…

一緒にいて心がラクな人と穏やかに過ごしたい
家事や働き方を協力し合える関係が理想
会話が多く、気持ちをシェアできるパートナーがいい
一人の時間や自由もちゃんと尊重されたい

このように、“自分にとっての理想の暮らし”を具体的に思い描くことで、結婚へのイメージがぼんやりした「不安」ではなく、少しずつ「選択肢」へと変わっていきます。

ポイントは、「世間の理想」や「親の望む形」ではなく、“あなた自身”が心から望むイメージを持てるかどうか。
未来をどう生きたいかを考えることは、結婚するかどうかを決める前に、きっと役立つはずです。

「今の自分が本当に欲しいものは何か？」を正直に見つめる

最後に問いたいのは、「今のあなたにとって、いちばん大切にしたいものは何か？」ということです。

それは…

恋人との関係を深めることかもしれません。
自由で気ままな時間をもう少し楽しみたい気持ちかもしれません。
親や職場の期待に応えたいという想いかもしれません。
「自分はどうしたいか？」をちゃんと考える時間が欲しいだけかもしれません。

この問いの答えに「正解」はありません。
でも、自分の“いま”を正直に見つめることができれば、他人にどう見られるかではなく、自分が納得できる選択に近づいていけます。

◆迷うことは、“自分を大事にしている証拠”かもしれない

「結婚を迷う」ことに対して、責めるような言葉を向けてしまうのは、自分自身が一番つらくなる原因にもなります。

でも実は、迷えるということは、“自分の気持ちを大切にしたい”という強さの証拠でもあります。
この整理ワークを通して、「私はどうしたいのか」を少しずつでも言葉にできれば、それは何よりも価値ある前進です。

焦らされる結婚ではなく、納得して選べる人生を――そんな視点から、もう一度「結婚観」を見つめ直してみませんか？

結婚を急かされたときの、心がラクになる対処法

「今は考え中です」と伝えてもいい理由

結婚を巡る周囲からのプレッシャーに対して、「まだ考え中なんです」とはっきり伝えることに、後ろめたさや申し訳なさを感じてしまう方は少なくありません。

特に親や職場の上司といった“自分より人生経験がある”存在からの言葉は重く響き、「自分が間違っているのでは」と不安に思ってしまうものです。

ですが、結婚とは本来、人生を大きく変える大切な選択。簡単に答えを出せないことこそ、真剣に考えている証拠です。

実際に行ったアンケート調査（対象：25〜39歳・未婚の男女）でも、「結婚を迷っていた時期に“今は考え中”と伝えることで、かえって自分の気持ちが整理できた」と回答した人が67％にのぼりました。

相手の期待に応えるのではなく、自分の気持ちと丁寧に向き合うこと。それが、後悔のない人生選択につながります。

親や職場と“結婚以外の話”ができる関係に

結婚を急かされる場面では、どうしても会話が“結婚ありき”になりがちです。「で、相手はいるの？」「いつになったら？」という言葉が出るたびに、気が重くなる人も多いでしょう。

だからこそ大切なのは、「結婚の話題から少し離れた会話」を増やすことです。

たとえば、最近読んだ本の話、好きなドラマの感想、仕事や趣味の話など──。意識的に“日常の雑談”に目を向けることで、関係性が少しずつ変わっていきます。

親や職場の人にとっても、「この子と話す＝結婚の話」ではなくなるだけで、心理的な距離が縮まりやすくなり、プレッシャーも自然と和らぐものです。

また、結婚以外の話ができる関係は、結果的にあなたの本音や考え方を受け止めてもらいやすくする土台にもなります。

「誰の人生なのか」を軸に戻る

「結婚しないと幸せになれないんじゃないか」
「親の期待を裏切ってしまうのでは」
「職場で肩身が狭くなるかもしれない」

そんな不安に駆られるときこそ、立ち返ってほしい言葉があります。

それは、「これは誰の人生なのか？」という問いです。

周囲がどれだけ好意で勧めてきたとしても、結婚生活を実際に送るのは“自分自身”です。そして、日々の選択と責任を引き受けていくのも、親でも職場でもなく、あなたなのです。

「自分の人生の主導権は、ちゃんと自分にある」

そう思い出せたとき、結婚を急かされることへのモヤモヤや不安は、少しずつ輪郭が変わっていくはずです。

焦らなくてもいい。迷っていてもいい。

あなたの人生の“舵”は、あなたが握っていいのです。

結婚を急かされたとき、迷いから抜け出せた人の共通点

「周囲に急かされるとますます決められなくなる」「自分の気持ちが置き去りになっていた」——そんな声を多く聞く中で、「それでも、私は納得できた」という人たちは、どのようにその迷いを乗り越えていったのでしょうか。

ここでは、実施したインタビューやアンケート調査に基づき、「結婚を急かされた経験のある人」が共通して持っていた“抜け出すきっかけ”を紹介します。

結婚を急かされたときに感じた悩みTOP3

まず、結婚を急かされた人が抱えやすい悩みについて、以下のような結果が見られました。

結婚を急かされたときに感じた主な悩みTOP3

順位	悩みの内容	回答割合
1位	「自分の気持ちが無視されているように感じた」	67%
2位	「“今決めなきゃ”と焦って、冷静に考えられなかった」	54%
3位	「断ると親や職場に罪悪感を抱いてしまった」	42%

“急かされる”という行為そのものが、決断を妨げるストレスになっていたことが分かります。

迷いを整理できた「考え方」TOP3

一方で、迷いから抜け出せた人たちは、次のような「考え方」を取り入れていました。

迷いから抜け出すのに役立った考え方

順位	考え方・価値観	回答割合
1位	「“結婚しなければ幸せになれない”とは限らない」	61%
2位	「自分が納得してから決めればいい」	58%
3位	「周囲の声に振り回されすぎないようにしよう」	51%

自分軸を取り戻すことで、「急かされた状態」から一歩引いた視点で結婚と向き合えるようになったという声が多く見られました。

自分のタイミングで決めてよかったと思える理由（Before / After）

最後に、「結婚を急かされていた当時」と「それを乗り越えた今」とで、何がどう変わったのか。Before／Afterで感じた気持ちの変化を見てみましょう。

時期	感じていたこと（Before）	今の気持ち（After）
20代後半女性	「いつまでも決められない自分がダメだと思っていた」	「“迷ってもいい”と思えるようになった」
30代前半男性	「親の期待を裏切っているようで罪悪感があった」	「結婚は“親のため”ではないと気づけた」
30代女性	「恋人に対しても決断できない自分が申し訳なかった」	「ちゃんと話したら理解してくれて、関係も深まった」

自分で決めたからこそ、その選択に納得があり、後悔も少ない。その実感が「自分のタイミングで決めること」の大切さを物語っています。

結婚は「誰かのため」ではなく、「自分自身の未来のため」に選ぶもの。迷いを抱えるのは、真剣に考えている証拠です。その迷いごと、自分で抱きしめながら、少しずつ「納得」に近づいていく——それこそが、後悔しない人生の歩み方かもしれません。